リク

□*ノーマルな俺とバイなお前  仏英
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「あのさぁ、アーサー。」
「ん、何だよフランシス?」
「好き……なんですけど。」
「…………はい?」


















ノーマルな俺とバイなお前















俺ことアーサー・カークランドと、フランシス・ボヌフォワは幼い頃から一緒にいた。
いわゆる腐れ縁というやつだ。

そして、俺が知っている限りではあいつは女好きだ。
いや、厳密に言うとバイだ。
人類であればあいつは誰でもいける。
それは断言できる。

男を連れてきて「俺の恋人」と紹介されたことだってある。

あるんだ。
確かにあるけど…。
あるんだけどさぁ………


「俺?は?お前何言ってんの。」
「そのままの意味です、はい。」


フランシスに久々に酒を飲もうと誘われたから、こいつの家に来たらこの様だ。
帰りたい。
こなければよかった。

心底後悔して、深々とため息をついてフランシスに言う。


「あのさぁ、俺はいたってノーマルっていうか…」
「そんなこと知ってる!でも好きなんだ!」


座っていたソファから身を乗り出して、フランシスは熱弁しだした。


「本当はお前のことがずっと好きだったんだ!本気なんだ!!
お前の好きなところを挙げろって言われたら次々出てくるぞ!!!
まず、なんだかんだ言って俺を慕ってくれてるとこ、その眉毛、顔、ツンデレ、声、すっげー性格悪いとこ、無駄にネガティブなとこ、妖精さんが友達なとこ、紅茶が大好きなとこ、素直になれないとこ、そのツンツンしてる頭、変態なとこ、頑固なとこ、古臭いとこ、なんだかんだ優しいけど空回っちゃうとこ、あと」

「キモイィィィ!!!!!もうわかったから!」


なに今日のこいつ、怖いんだけどっ!
鼻息荒く迫力満点で俺について熱弁とかまじ引くんだけど…。


「本当、お兄さん本気なの!
お前と一緒に風呂に入って抜いたことあるもん!!」
「最っ低だなお前!!!しかもそれ小さい時の話だろ!
小さいガキをオカズにするとかお前ペドだったのかよっ!?」
「ちょ、待って!お兄さん現在進行形で好きだって言ってんじゃん!!」


二人ともテンパっておかしなテンションになっている。
やばい、なんとなく体が警報をかけているような気がする…。

すると突然フランシスは落ち着いた雰囲気をかもし出して俺を見つめてきた。


「なあ、アーサー…」


フランシスは、普段は出さないような低い声を出してきた。
普通の女なら、この声と顔に一発で落ちてしまうのかもしれないが生憎俺は男だ。ノーマルだ。


「愛してる。」
「……頭冷やせよ。」
「俺は十分冷静だって。」
「じゃあ酒の飲みすぎだ。」
「まだ全然飲んでない。」
「そうだな。だから飲み足りないから一緒に飲も…」

「そうやって誤魔化すんじゃねえよ!!」


突然フランシスが怒鳴った。
あまりに突然だったから、俺はびくっとして硬直してしまった。


「本気…なのか?」


俺は呆然と呟いた。


「だから、俺そう言ってるじゃないか!」


フランシスは苛立たしそうに前髪を掻き揚げた。


「………まじ?」
「まじ。」

「いや、でも俺…っ。すまん、すごく混乱してる。」
「しょうがないよ。」
「ごめん、やっぱ無理だろ…俺、男に挿れるとか無理…」
「ん?お前、ネコだぞ?」

「なお嫌だわ!!!!」
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