短編

□*初夜  日英
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「じゃ、おじゃまするぜ」

「はい、どうぞお上がりください。」





初夜





今日は二人が同盟を組んでから、何回かめの日本の家への泊まりの日だ。


「イギリスさん、長旅ご苦労様でした。
とても疲れたでしょう?
今日はゆっくりしていって下さいね。」
「おう、わりぃな」


イギリスは日本式にきちんと靴を玄関で脱ぎ、二人で居間を目指し歩き出す。
するとふと日本に見つめられていることに気づいた。


「な、何だよ…」
「いえ。相変わらず可愛らしいと思い、つい見つめてしまっていました。」
「な……!!!」


イギリスは真っ赤になってうろたえる。

そう、何を隠そうこの二人、実は恋人同士なのだ。


「そ、そういうこと言うの止めろよ!!
おおお俺は英国紳士で…」
「わかってますよ。」


日本は笑いながらイギリスの言葉を受け流す。
流石は伊達に年をとっていない。
彼の前だと、天下を取った大英帝国さえも赤子同然なのだ。

そして居間につく。


「では、今お茶を入れるので適当に座っててくださいな。」
「おう、thank you」






「ふう…今日も日本の温泉は気持ちよかったな……」


夜、イギリスのために用意された部屋で浴衣姿で息をついていた。

ただイギリスには少し悩みがあった。

日本とイギリスは未だに清い関係で、キス1つした事なかった。
日本も、どうやら知識はあるようなのだが、一向に手を出してこようとはしないのだ。

イギリスは、もう正直我慢の限界だった。

早く日本と繋がりたくて、繋がりたくて、堪らなかった。

そして今夜、ある決意をしたのだった。


「今日こそは、日本とヤるぞ!!!」


そう決意して、イギリスは、自分のために用意された寝室を後にした。





「お、おい。日本、起きてるか?」


イギリスはそーっと日本の部屋の襖を開けた。


「えぇ、起きてますよ。」
「わ、わりぃ。今日は一緒に寝てもいいか?」
「え……!?」


日本は、少し戸惑ったような顔をした。

イギリスは、日本にそういう顔をされるとは思いもしなかったから、心中ショックを受けた。

だが、ここで引いてはいけない、と思い、それを顔に出さずに、そのまま押した。


「何かあの部屋、ガキがうるせぇんだな。」


これは事実だ。

いつもあの小さい女の子がうるさくて、眠れないのだ。

これを聞いたら日本は遠い目をして、頷いた。


「あー…、はい。私とゆっくり休んだ方がよさそうですね。」
「!!だ、だろ!?…ってことは、ねていいって事かっ!!??」


イギリスは、心のなかでとても喜んだ。


「ただし、私のふとんには入って来ないこと。それが条件です。」
「え…?」

『何だよ、それ…!』


イギリスは、日本が、何故そう言うのか、全く意味がわからなかった。

だけど、その条件をのまないと、一緒に寝ることは出来ないと言うので、渋々、その条件をのむことにした。


「では、イギリスさんのお布団を敷かせて頂きますね。」


日本はそういい、押入れから、来客用の布団を取り出して、畳の上に敷いた。

日本の布団と少し離れた距離に。


「おい。布団くらいはもう少し近付けたっていいじゃないか。」


イギリスは、日本にそんな事をされると思っていなかったので、かなり悲しくなった。
そしてその気持ちが表に出て、少し拗ねたような言い方になってしまった。


「すいません、私の我儘を聞かせてしまって…。」
「い、いや…。いいんだ、別に。一緒に寝れることだけでも嬉しいし。」


もしかしたら、これは、日本独特の文化なのかもしれない、とイギリスは思った。
そう思うと、日本に対する苛立ちがかなり収まる。

そう考えていると、日本は、眉間にしわを寄せていた。


「貴方のそういう殺し文句のような言葉は一体どこで覚えてくるんですか……。って、ヨーロッパでは、それが普通で、私が意識しすぎなのか……。」
「お、おい。日本…。何ぶつぶつ言ってんだ?」
「……。いえ、何でもありません。日本人は独り言が多いんですよ。」
「まじかっ!」
「嘘です。」


そういうと、日本は布団を敷く作業に戻った。
そして、イギリスがうるさかったので、結局、日本のすぐ隣にイギリスの布団を敷くことになったのだった。


「はい、準備が整いましたよ。」
「おう!Thank You!」


そういって、イギリスは敷かれた布団の中に潜り込んだ。


「んー、日本の布団って何か味があっていいよなー。」


そういって、イギリスは、布団の中でころころと転がった。
すると、日本はそんなイギリスを見て、困ったような笑みを浮かべた。


「では、もう寝ましょうか。」


そういって、日本は、電気を消し、布団の中に入っていった。

イギリスは、日本がどうしてそんな顔をするのか分からなかった。
分からなかったけど、日本が、そんな顔をするのが、どうしても耐えられなかった。


「なあ、日本……。」
「はい、何でしょう」
「俺、日本のことが好きだ。」
「え……っ。あ、ありがとうございます!えと、凄く嬉しいです。私もイギリスさんの事、大好きですよ。」
「だから、そうやって何でも溜め込まないで、俺に何でも言ってほしいんだ。それとも、俺じゃ役に立たないか?」


イギリスは、落ち込んだように日本に言った。
すると日本はあわてて、否定をした。


「違います!イギリスさんは、役たたずなんかじゃありません!!現に私は色々相談させて頂いたり、他にもイギリスさんは、私のためになるように、色々手配だってしてくださるじゃないですか!!」
「じゃあ、なんで悩んでいるのに俺に言ってくれないんだ……?」
「それは……、何というか、自分自身と闘ってるので、どうとも出来ないというか……。」

『やっぱり、俺じゃどうしようもできないんだ……。』


イギリスは、日本がどうやら悩みを打ち明ける気はない、ということに気がつき、寂しさを感じた。
日本も、イギリスがそう考えてることに気付いた様子だったが、どうする事も出来ないのか、困ったような顔をするばかりだった。


「もう寝ましょうか」

「…………あぁ。」


そして、二人は互いに背中合わせになるようにして顔を見ないようにした。


『やっぱり、俺じゃ駄目なのかな……。』


イギリスは、段々ネガティブな思考になっていく。

日本の部屋に来ようとしていた時の意思はもう、どこかへ飛んでいっていた。


『好きだって気持ちだけじゃ駄目なんだな…。』


ちらりとイギリスが後ろを向くと、もう既に眠っている日本がいた。

イギリスの血が一気に頭に上った。


『早!!!寝るの早っ!!!
俺のこととかどうでもいいってか!?』


イギリスは、どうしようもない衝動に後押しされて、そのまま眠っている日本に口づけた。


『ばか…っ、ばかばかばかぁっ!!俺はこんなに日本のことが好きなのに…っ!!』


いっそ、このまま日本を襲おうかとしていた、その時だった。


「私の布団には入らないように言いましたよね…?」


日本の目が開き、喋ったのだ。


「え、ちょ…っ!!!起きてたのか!?」
「えぇ。というより、話を逸らさないで下さい」


そう言われて、イギリスは、自分自身を見てみると、確かに、キスをしようとして体を動かした為に、手などが、日本の布団の上に置かれていたのだ。


「少しじゃねぇか!てか、なんだよ、その条件!おかしいだろっ!!そんなに……、そ、そんなに俺のことが、き、嫌いなのかよっ!!!」


気が付いたら、喋っている内に、イギリスは泣いていた。

日本は何も言わず、イギリスを抱き締めた。


「――――――!!」
「すいません…!!貴方の為にと思っていたのですが、逆にあなたを傷つける結果になっていたようですね…。」

「え…、俺の…、ため?」

「はい…。私は、おかしいんです。貴方の側にいると、狂暴な気持ちになるんです。貴方をめちゃくちゃにしたくて、堪らなくなるんです…。だから、布団に入ってこられたら、きっと私は耐えられなくなって、あなたを犯してしまう、と考えたのです。」


日本に苦々しく語られたその中身は、イギリスが待ちわびていたことだった。
だから、イギリスの目には、喜びの涙が浮かんでいた。


「あぁ、すいません!こんな事を考えているなんて気持ち悪いですよね……っ!!」

「ち、違う!これは嬉しくて……!!俺、日本と繋がりたくて、繋がりたくてどうしようもなかったんだ……っ!!!」
「イギリスさん……」
「だから、日本は日本のやりたいようにやっていいんだよ…!」
「本当に…?いいんですか…?」
「あたりまえだ!ばか!!」
「嬉しいです…。」


そういって、日本は、イギリスの浴衣を脱がせ始めた。





「痛っ、痛いっ!!」


イギリスは、涙を流しながら日本に訴え続けた。


「私のをくわえて痛がっているイギリスさんが可愛すぎると思います。」


日本は、息を荒げてイギリスの中をぐちゃぐちゃに動き回す。


「や…っ!ばかぁ……っ!!もう俺の中から抜け…っ!!」
「すいません。それは出来そうにないですね。」
「や…っ、ぁうっ!!んああっ!!!」
「おや、気持ちよくなってきましたか?私のコレが気持ちいいんですか?」
「ひあああああっ!!そこ……、らめぇぇぇ…っ!」


日本は、イギリスの前立腺を容赦なく攻め立てた。


「ああぅっ!!あっあっあーーっ!!!」
「ほら、私のが気持ちいいって、言ってご覧なさい?」
「だ…、誰が言うか……っ!!この変態…っ!」
「おや、言ってくれないんですか?意地っ張りですね。では、私にも考えがあります。」


そういうと、日本は、あえて前立腺をはずして動かしてきた。


「や…っ、そこじゃな……っ!んぅ…」
「イギリスさんが、言って下さらないので、私、ショックでこのまま、イギリスさんをイカせて差し上げる事が出来ないかもしれませんね…。」


その言葉を聞いて、イギリスは絶望的な顔をした。


「さあ、イギリスさん。何か言いたいことは?」
「うっ……っ、うるさいっ!!何も言うことなんか…、ない!」
「そうですか。私はこのままでも別にいいんですけどね。」


そういって、日本はイギリスの唇に自分の唇を重ねた。

にゅるん、とイギリスの口腔に日本は舌を差し込み、乱暴に掻き回した。


「んむぅっ!!…んあ……、んぅっ!!」


イギリスの体は限界を訴え、小刻みに震え出した。

けれど、日本はイギリスがイクことを許さず、イギリスが、イキそうになるたびに、その動作を止めた。


「あ……、もぅ、や……っ、い、イカせ…、て……っ!」
「おや。では、何と私に言えばよいのでしたっけ??」


イギリスは、早くイキたい一心で、何も考えることをせずに、とろけた顔で日本に言った。


「日本の、気持ちい……っ!凄く美味しい…っ、はぁはぁっ、全部全部、俺に頂戴??」


日本は、その言葉で理性が吹っ飛んだ。


「やああああっ!!にほ、日本っ!いきなり、激し……っ!!んああっ!」
「あなたが…っ、悪いんですからねっ!!
まさかそこまでやらしく言うなんて…!!」
「やぁんっ、らめぇ…っ!気持…ち、よすぎて、変になるぅっ!!!」
「貴方の…、乱れる姿が見たいんですっ!」


そういって、日本はよりいっそうイギリスを攻め立てた。


「だ、だめぇ…っ!も、イっちゃうよぉぉぉ」


イギリスは、過ぎる快感を受けきれられず、意識も朦朧とし、涙を流して日本にしがみついていた。


「私もそろそろイキそうです……っ!!!」
「あっ、やっ、んあああああああああああ!!」


イギリスは、背中を仰け反らせてイった。


「く……っ!!」


そして日本もその後をおうようにして、イった。

イギリスは、激しすぎた行為だったからか、意識を飛ばしていた。


「イギリスさん?だ、大丈夫ですか!?」


するとイギリスは、はっ、と意識を戻し、日本を見つめて微笑んだ。

そして、舌足らずに平気だと言った。


「あの…、本当にすいませんでした……。あんな乱暴な事をして……。」
「ん…、平気だってば。それに、こうして終わった後、日本が俺の事を気にかけてくれるのが嬉しいんだ。」


と、幸せそうにイギリスは微笑んだ。
日本も、そんなイギリスと恋仲であることに幸せを感じていた。


「イギリスさん…」

「ん?何だ?」



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