文★一周年企画★
□もし剣心と柴犬が入れ代わったら…(※微エロ有り)
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赤い夕暮れが辺りを包み込む頃、
神谷道場からはいつものように今晩の夕飯のいい香りが漂う。
「よし出来たでござるっ!
そろそろ薫殿と弥彦を呼びに行くでござるかな」
「わんっ」
「おろ?」
いつものように薫と弥彦を道場まで呼びに行こうとした時、足元を見れば一匹の柴犬がこちらを見上げている。
「どっから入ってきたのでござるか?」
剣心がかかんで頭を少し撫でると気持ち良さそうにその柴犬は瞳を細めた。
野良犬と違い毛並みも綺麗にされているし、首輪もしているのでどこかの飼い犬なのか…
と、剣心が考えていた次の瞬間パクッ
「!!
ダメでござるっ!!
それは薫殿の魚でござるよ〜!!!!」
先程作ったばかりの焼き魚をくわえ逃げていく。
「待てでござる!」
柴犬を追いかけようとした剣心の足がスルッと滑り、そのまま柴犬の頭とゴツンとぶつかり合う。
「おぉろ〜〜〜!!!!!(泣)」
「わぉ〜ん!!!!!(泣)」
ドッカーーン!!!!
…この瞬間に最悪な出来事が幕を開けたのである。
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―――
「がはははは(笑)
笑
いすぎてこのままじゃ死んじまう〜」
「…笑い事じゃないでござる(-_-メ)」
「左之助、そうよ(笑)
そんな笑っちゃ剣さんが可哀相じゃない、ふふふっ(笑)」
「恵殿までひどいでござるよっΣ( ̄□ ̄メ;!」
「そんな怒んなって(笑)
でもよ〜なんで剣心と犬が入れ替わっちまったんだ?」
そう言って左之助は剣心の方を見た。
そこには薫が正座してる上に丸く座っている剣心が居る。
見た目こそ剣心だが中身は柴犬らしい。
「拙者にも何がなんだかわからぬでござるよ…」
トホホ…。と嘆く剣心の見た目は茶色い毛で覆われた柴犬だ。
「あら剣さん今のままでも可愛いですよ(笑)」
「そうだぜ、剣心(笑)
犬の姿もなかなか様になってんじゃねぇ〜かっ!」
「全然嬉しくないでござるっ(泣)」
「恵、どうやったら剣心は元に戻るんだあ?」
完全に左之助と恵にからかわれ涙目な剣心に呆れつつ弥彦がまともな質問を浴びせる。
「科学的に見れば"入れ替わる″なんて有り得ない事だし、
私もこんなのは初めてだわ。
…ま、でも入れ替わる事が出来たなら元に戻る事も可能な訳だからしばらく様子を見ましょう。
」
「…"しばらく"っていつまでですか?」
それまで沈黙していた薫が恵の方を見る。
「さぁ〜いつまでかしら?(笑)
でも大丈夫よ、一生このままなんて有り得ない
……はずだから!(笑)」
「はずでは困るでござる〜(ToTメ)」
「そうよ(泣)それじゃ困るわっ!!!」
犬の剣心と薫の動揺する姿が楽しくなり完全に恵は雌狐と化す。
「いいじゃねぇか!
だから嬢ちゃんも俺らの目を気にする事なく剣心といちゃつけんだからよっ♪」
「い!いちゃつくって///」
「そうよ!
犬と入れ替わっても剣さんとくっつけるんだから文句言わないで頂戴っ」
「こ、これはいちゃついてる訳でもなんでもないんです!!///
ただ…懐かれちゃっただけで…」
顔を赤くして反論する薫を剣心(中身は柴犬)は小首を傾げて見上げている。
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