*BOOK

□偽りと真実
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偽り、真実…僕にはよくわからない。自分でも偽りか真実かどちらかを言ってるのかなかなか理解が出来ないから、
でも僕は偽りを言っているんだと思う。



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「なぁなぁー…お前さ…本気で俺のこと好きなのかぁ?」

唐突に聞かれる。本気で好きなのかと、でも内心本気ではなかったが…

「何言ってるの?本気に決まってるじゃないか?」

僕は誤魔化すように笑いかけて

「逆に聞くよ?兄さんはどうなの?」

そういった途端、兄さんは顔を赤らめてこう言う。

「あ、当たり前だろ…本気で、えーと…///」

あぁ…本気なんだね。と内心思いながら小さく微笑み頭をポンポン撫でてやると、兄さんは小さく首を傾げてこちらを見てくる。

「雪男…?どうした?」

「ん…何が?」

「……何か俺に隠してんだろ?」

勘がいいな…。一瞬表情が消えたのに気が付いたのか兄さんは口をつぐんだ。

「僕は…」

「……兄さんのこと…」

「本気で好きじゃない。」
言ってしまった。言いたくても言えなかった言葉を…でも、返ってきた返答は予想外な言葉だった。

「へぇ…なら俺は…本気でお前が俺を好きになってくれる様に頑張る!ちゃんと待ってるからな雪男っ」

先程とは違う純粋な…とても綺麗な笑みだった。

「……まったく…いつになるかわからないけど…まぁ、気長に待ってなよ…」


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偽り続けた僕は真実を言うことを出来るようになり、兄さんにまた好かれるようになった。

そんなに好かれても困る。前まではそう思っていたが今は違う…。今は、いとおしくて堪らなくなった…まだ好きにはなれないけど、いつか……………

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