*BOOK

□僕の大切な物
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『……兄さん…これからは、ずっと…ずっと一緒だ』
静かに僕は囁き兄さんの首を力強く締めていた。

『ゅ、ゅき、やっ…め…』
『兄さんは…一生僕の物何だ…だから、僕のところに置いておけば離れないで済む…だから…だから…!』
より逸そ首を締め上げると、最後の言葉とばかりにか細い声で兄さんは僕にこう告げた。

『ゆ、き…好き…大好き…だった…ょ…』

一筋の涙を頬に伝わせながら兄さんは静かに目を閉じた。その体温は明らかに冷めていくのが分かる。

『……兄さん…僕もだょ、大好きだ、愛してる…だから…今から僕も、逝くよ』
そう言うと僕の肩に兄さんを寄りかからせ、冷めきった身体を撫で…

『これからは…ちゃんと大切にするからね…兄さん、大好き…僕だけの物だ…』
そう言うと僕は自らの頭を銃で撃ち抜いた。遠くなる意識の中、

(ねぇ、貴方は…こんな僕を、許してくれますか…?もし、許してくれなかったら…どうすれば許してくれる?)

矛盾したことを思う自分がいた、小さく兄さんに微笑みかけ、今…命が尽きた。












end。

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