流
□第2話
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「それで、どうすればいいんだ?」
――わあああああああああ
たちのぼる砂煙と鼻をつく鉄の臭い
地面に倒れる無数の死体
殺気と希望と絶望に満ちた空間
私はどうやら合戦中の所に落とされたようだ
あの神には常識がないのだろう
とりあえず安全そうな茂みに隠れて状況の確認をすることにした
「あ、服変わってる」
どこで服などを調達しようかと思っていたが、既にこの世界に合わせたものになっていた
なぜか、男性ものだが
そして傍らには私が小学生の時使っていた体操着袋が落ちていた
意味の分からないこと続きだったが、とうに捨てたはずの体操着袋がここにあることが今日一番の驚きかもしれない
その中を見ると手紙が入っていた
『何でも屋様
この度は依頼を受けていただき誠に感謝いたします
つきましては、貴女がこの世界で生活していくには何かと不便があるかと思いましたのでささやかながらこちらから色々とご用意致しました
この袋はあなたが欲しいと望まれた物が何でもご出てきます
是非ご活用ください
また、ほんのお節介ですが服装は男性服にさせて頂きました
そちらの方が動きやすいのではないでしょうか
では、ご健闘を祈ります
神』
これ書いたのほんとにさっきの神か?
なんかキャラ違うけども
「ていうかなんでも出てくるってほんとかな」
試しに私の携帯を思い浮かべて体操着袋を漁ってみた
すると、何もなかった袋の中に見慣れた自らの携帯が現れた
どうやら私の体操着袋は大変便利なものに変わったようだ
そして男装させられたのは都合がよかった
普段は名無しという名で男装をして仕事をしていたし、この時代の女性の着物で動ける気がしていなかったから
気が利くのか利かないのか、全くよくわからない奴だ
そんなことをしていると、ガサリと茂みが揺れた
「貴様!何奴!」