流
□第1話
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一面に広がる白、白、白
何もない空間に私は立っていた
立っているのか浮いているのか、もしかしたら横になっているのかもしれない
どこが地面でどこが空中かすら分からない空間だ
「なんだここ……?」
さっきまで、確かに数分前までは自分の家にいた
3日ぶりに帰る自宅には何も変化は無かった
何がどうなっているのか
不気味な空間に不安を覚え始めた時、突然背後に誰かが現れた
「おい、依頼がある」
「承りました。まず偽名でもいいのでお名前を教えていただけますか」
……いや違う
いきなり現れいきなり依頼を申し込んできた男に、ついいつも通りの対応をしてしまった
名前よりも聞くべきことがある
大いにある
思いのほか私は動揺しているようだ
「やっぱ今のなしで。先に状況の説明をお願いします」
「えー、お前何でも引き受けるから何でも屋なんだろー?スルーしとけよー俺説明とか苦手なんだけどー」
ムカつくなこいつ
語尾を伸ばすな
「しょうがねぇから教えるけど、俺はある世界の神でここは世界の隙間。お前は俺が呼んだ。分かったか」
すべての問題が解決したかのような言い方と表情に私は目の前の男をあやうく殺しそうになった