泡になっても

□おねがい きいて
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トントントントン

リズムのよい包丁の叩く音

竜宮城の大きなキッチンで手際良く作業するコトハ





…数時間前


『オヤジさん、いつまでここにいるの?』

「急ぎの用だからな、材料調達して明日の夕方には出航する」

(…やっぱり私に会いに来たなんて嘘じゃん)


ふて腐れてほっぺたを膨らますとオヤジさんは笑ってコトハの頭を豪快に撫でてきた

『わっ、おやじ、痛い』

「お前に会いたかったのは嘘じゃねぇ
よし、今日は久々に揃った家族で宴だ!!お前ら準備しろ!!

おお!!

船中に声が響く


『おやじさん、しらほし姫に皆が来たこと伝えて来るね!』

「夕方までには帰ってこい
しらほしに宜しくな」

うん、と返事をして行こうとしたとき誰かに名前を呼ばれた気がして振り替えると

「コトハー!ひさしぶりー」

『わ、』

柔らかい感触に包まれる

コトハにいきなりハグをしてきたのはナース服のスタイル良いお姉様方だった

その様子を羨ましそうに見る目がチラホラ...


「きゃー、少し見ない間に美人になって」

…お姉様ほどでは…
『お久しぶりです!』

「船長?宴するの?」

「あぁそうだ」

飲み過ぎは抑えて下さいと小声で言うのが聞こえてきた

??

「ねぇ、コトハのお料理また食べたいわ」

「あ、私も食べたい」

今は一人暮らしをしているコトハはわりと料理が好きだった

前に一度作って行くとかなり好評で特にナースのお姉様方に人気だった


「コトハ よく作るのか?
オレも食いてぇ!」

ニカッと笑顔で目を輝かせながら訪ねたきたエース

『んー、人数多いんだよなー』

面倒くさそうに悩んでいるとおねがいーというおねだりの声が聞こえてくる

「コトハの好きな海桜のシャンパン買ってきてあげるから」

『!?ほんと?
あ…し、しょうがないなぁ//』

つい つられてしまった自分に恥ずかしくなる

しかし、あまり手に入らない上に値段の高い海桜のお酒はコトハの好物だった

「へぇ、コトハ 酒飲むのか」

『へへ、ちょっとね、エースは呑まないの?』

「オレは食う派だ
あー、腹減ってきた」

「おまえ、さっき食ったばっかだよい」

お腹をおさえるエースに後ろからマルコがコツンと頭を叩く


『アハハ、了解!
沢山作って来るよ
お姉さまー、約束だよ!買ってきてね』

「はーい
お腹すかせて待ってるから!」

とピンク色の声が響く

『う、了解』

「キッチン使う?」

『いや、竜宮城の貸してもらう
しらほし姫にも伝えに行きたいし
あそこだと、材料揃ってて使いやすいんだ』



そうして今 この状況に至る

しらほし姫に皆が来たことを 教えると喜び城の人にキッチンを貸してくれるように頼んでくれた



『うま!』

数時間後やっと作り終わり 自分でもわりと良くできたと思い、少し自慢げであった

しらほし姫に
"お料理が出来たら私にも少し持ってきて頂けませんか?"と遠慮がちに言われたコトハは早速しらほし姫の所へ持っていった
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