泡になっても

□時のいたずら
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『しらほし姫 おはよ!』


「コトハ様!! おはようございます 」





オトヒメ様が亡くなった後 しらほし姫の所に奇妙な手紙等が届く用になった

それらは、日に日にエスカレートして行き
しらほし姫の危険を感じた王様は悩んだ末、安全な塔に隠すようにして守る事を選択した


人気の少ない静かなところ その奥の部屋でしらほし姫は生活している



私はそこに毎日通っている



少しでも寂しい気持ちが消えるように...






小さい頃に両親を亡くした私をオトヒメ様が拾って下さり、2.3年前までは竜宮城で暮らしていた


そのため、しらほし姫とは姉妹のように仲が良く 2つ歳上の私にとって、しらほし姫は妹のような存在だった





今は自立して町外れの小さな家で暮らしている

最初、私が出ていく事を知ったしらほし姫は泣いて止めてきたが
『毎日来るから!』と約束するとやっと聞いてくれた





竜宮城からは少し遠いが
大好きなしらほし姫に会うなら大した距離ではない




『今日はね、"海桜"が咲いてたから持ってきたよ 』


淡い紫色に咲き誇る桜を見せる
しらほし姫の好きな花


「わ、綺麗ですね!! 」


パッと大きな瞳を輝かせて桜を手にとる

しらほし姫は私の何倍も大きいため桜が簪のように小さい




「あの...コトハ様?
お母様の所にも持って行って下さりませんか?」



『もちろん、そのつもりです!』



ニコッと笑って見せるとしらほし姫も笑い返してくれた




しらほし姫は塔から出る事が出来ないため オトヒメ様のお墓に一度も行った事がない



大好きだった母に会えないしらほし姫の為に毎日ではないが私が代わりに、お花としらほし姫からの伝言を持って海の森まで行く




『お預かり致します。では、また明日来ます! いってきます!!』


「いってらっしゃいませ! お母様によろしくお願いします 」


『はーい!』



笑顔で見送るしらほし姫


(本当は自分で行きたいだろうな...)
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