捧げ物、頂き物

□相互記念
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「が、ガジル・・・大丈夫?」

先ほどからまったく動かないガジル。

テーブルの上には、無数の空き瓶。

珍しい、彼がこんなになるまで飲むなんて。

「飲みすぎだよ。水持ってくるから、もうお酒はやめよ」

体を揺すってみるが、まったく反応がない。

どうしよう、とりあえずソファに連れて行った方がいいだろうか。
うーんと唸っていると、ゆっくりとガジルは目を開けレビィを見る。

「・・・・・・・」

そのまま、一言も発せずさも当たり前のようにレビィを抱きしめた。


「へぁっ!?」

体格差があるため、すっぽりとガジルの腕の中に納まる。
至近距離で感じるガジルの息使いに、レビィは真っ赤になって暴れた。

「な、なななな何してんの!?ちょ、ちょっとガジル!?ガジルさーん!!返事してー!!!」

「・・・・」

全くの無反応。

だがレビィを逃がすまいと、抱きしめる力だけは強くなる。
少し手を動かせば、胸に当たる。

後ろから抱きしめられているので、かなり恥ずかしい格好になっているのだ。

パニックになるレビィを余所に、ガジルは猫のようにレビィにすり寄った。


「へ?へ?」

すりすりとすり寄る姿に、レビィはつい大人しくなってしまう。

その間にも、ずっと甘えるような仕草をするガジル。
これは、かなりレアだ。

いつもおちょくられるか、子供扱いされるばかりで、ガジルから甘えてくることはまずない。

でも、今は酒が入っているせいか猫のように甘えてくる。

可愛い・・・

本人が聞いたらフリーズしそうなセリフだ。


「が、ガジル?えと・・甘えたいの?」

「・・・・」こくり

素直に頷くガジル。
レビィは胸がきゅっとなるのを感じた。

どうしよう、可愛い。撫でたい。


「あ、えと・・じゃ、じゃあせめて水だけ飲まない?お酒飲み過ぎてたから、気分悪いでしょ?」

「お前がいるから・・・気分いい」

そんなセリフ今まで聞いたことないんですけど!!?

口をぱくぱくと開閉しながら、沸騰状態で固まる。

ガジルは猫好きだが、まさか彼自身が酔って猫状態になるとは。

とにかく、かなり心臓に悪い。何が悪いって、とにかく可愛くてしょうがないことが。
母性って、こういうことなの?

いや、でも相手ガジルだし
でも正直すごく撫でたい

もはや冷静な考えはできず、とりあえず欲望のままガジルの頭を撫でてみた。

ごわごわとしているが、そこまでさわり心地は悪くない。
太めの髪質で、彼の魔法同様しっかりとしている気がする。

そんなことを思って撫でていると、ガジルは気分をよくしたのかもっと撫でろと言わんばかりにくっついてきた。

「が、ががガジル!!?」

「ん〜・・・」

生返事で返し、幸せそうに笑う。

よほど撫でられるのが好きなのか、普段はまず見ないような顔が今目の前にある。

そして、お礼と言わんばかりにレビィの頬にちゅっと可愛らしいキスをした。

「!!!!!」

直後、音を立てて固まる。
真っ赤な顔のままフリーズしていると、ガジルは不思議そうに顔を覗き込んだ。

どうやら、撫でていた手が止まったことが不満らしい。

「レビィ?」

パニックを通り越してエンストを起こしたが、ガジルに名前を呼ばれてはっと我に返る。

「あ、ははは・・・」

もう、考えるのはよそう。
考えてもエンストするだけだ。うん。

そう自分に言い聞かせ、もうどうとでもなれと言わんばかりに思い切りガジルに抱きついた。

とりあえず、お酒はほどほどにさせよう。
















「ここ、ギルドって忘れてねえか」

「あい」

「なあミラちゃん、なんでこのコーヒーブラックなのに甘いんだ?」

「だって砂糖よりも甘い子たちが目の前でイチャイチャしてるんだもの。しょうがないわ」

「・・・・ははは」







―――――――――――――

あっめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!甘い!!甘すぎるよ!!!

「酒で酔ったガジルが、猫のようにレビィに甘える」でリクエストさせていただきましたが……。

まさかこんなあまあまに仕上げてくださるとは!!!(ゴロゴロ

ありがとうございました!!!!!

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