捧げ物、頂き物
□君は僕のだ
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「もうガジルっ!?」
棘のある、それでも少し優しさを含んだその声に顔を上げれば眼前には青い髪の彼女がいた。
「なんだ」
「なんだじゃないよ!!みんなガジルを捜してるんだからね」
ふーんとどうでも良さげに相槌をうてば「ほらっ」とレビィは自分よりも一回り以上に小さなその手をこちらに差し出した。
それをあえて握らず、むくりと立ち上がればレビィに嫌みのない言い方で「やなやつ!!」と言われ。
この時は多分、もう好き。
「どれにするの??」
リクエストボードの前でどの依頼をこなすまいかと考えていたガジルの背後からひょっこりと姿を表したレビィはガジルに説いた。
「まだ考えてる」
「私も……一緒に行っていい??」
「……好きにしろ」
「じゃあ好きにする」
にこりと笑ったレビィが、今度はガジルの横に並んでリクエストボード内の依頼を物色しはじめた。
多種多様な依頼の中からひとつに絞るのは毎度の事ながらに難しいものだ。
「いいのあった??」
「まあ」
「どれ??」
これ、とめぼしい依頼書を指さそうとした瞬間、ギルドのドアが開いた。
「あ!!ちょっとガジルごめん。ルーちゃんルーちゃんっ!!」
小動物か、お前は。
ツッコミたくなるような勢いでギルドに入ってきた金髪バニーガールに駆け寄ったレビィをリクエストボードの縁から視界に入れる。
レビィはにこにこと笑いながらルーシィと会話をしていた。