捧げ物、頂き物

□さまーさいだー様へ!
1ページ/1ページ


「よっ…い〜しょ…っと。」

マグノリアの街の真ん中で、大きな紙袋を持ったレビィがふらふらとした足取りで、歩いていた。

「久しぶりに本屋さん行ったら…っとと。買いすぎちゃったなぁ…。」

紙袋の中には大量の本。
小さなレビィの力で持って帰ることは困難な量だった。


(ここからならギルドの方が近いよね…。)


女子寮まではあと数キロ。
それよりも近場なギルドに向かって、誰かに手伝ってもらおうとレビィは考えた。



「そうと決まったら…っと。」

重い荷物を持ち上げ、進行方向を変える。


その時。




ヴヴヴヴヴーン!!


「きゃあっ!!!」


レビィが振り返った瞬間、猛スピードで魔導二輪が走り去って行った。

その反動でレビィはバランスを崩ししりもちをつき、紙袋の中身もバラバラにぶちまけてしまった。


「もー…最悪…。」

不満を口にしても仕方ない。

レビィはぶちまけてしまった本を拾い始めた。

が、目の前に見慣れた人影が現れ本を拾い始める。



「…ガジル…?」

「なにやってんだよ。道のど真ん中で。」

「あ。…てかなんでここに?」

「偶然だっつの。ブラブラしてたら魔導二輪に引かれかけたお前がいただけだ。」


いつもの憎まれ口で話しながら、次々と本を拾い集めてレビィに、「ほらよ。」と渡した。

レビィが受け取ろうと立ち上がろうとすると、足に激痛が走る。


「ー…っ!!!!!」


(そっか…さっき魔導二輪とぶつかりそうになった時に…っ。)

挫いた足を抑え、しゃがみこむレビィを見て、ガジルはひとつため息をついた。


「…足…ひねったか?」

「う、うん…。そうみたい。でも大丈夫!あとちょっとだからこれくらいー…っ!!」

元気で振る舞おうと紙袋を持ち上げるレビィだったが、その重さに足が耐えきれず再び激痛が走った。



「…ったく。しょうがねぇなぁ…。」

「えっ…?ガジー…きゃあっ!」

またため息をついたと思ったら、ガジルは軽々とレビィを抱き上げた。

その体勢はまさにー…。


(おおおおおお姫様抱っこ!!?/////)




「いっ…いいよ!私重いし、荷物あるし!」

「ギヒッ。滅竜魔導士の腕力ナメんなっつの。お前ぇ1人くらい軽いもんだよ。」

「っじゃなくて!!は…恥ずかしいから下ろして!」

だがレビィの主張は虚しく、ガジルはどんどん突き進む。すれ違う人々が二人を見ている。

「落ちないように捕まっとけよ。」とか「ギルドまで我慢しやがれ。」とか聴こえてきたけど、それどころじゃない。





ドキン……ドキン……。


鼓動が早くなっている。

全身が熱い。




平然と彼女を運ぶガジルとは裏腹に、レビィは終始顔を真っ赤にしたままだった。



















――――――――――――――

サカサマサマーサイダーの管理人様・さまーさいだー様に捧げます!!

こんな駄文で申し訳ございませんが、宜しければお持ち帰りください(*´ω`)

ありがとうございましたぁぁぁぁぁぁぁ!!!

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ