BOOK テニプリ

□はろうぃん
2ページ/2ページ




「……んぁっ……や、やめっ……」

「エロいなあー全く」

「う、うるさ、」


 どうしよう。触られて、少し弄られただけなのに、身体の熱がどんどん上がってきてしまった。当然、その熱は下肢のほうへと伝わって……。


「――いっ?!」

「くすっ。ホント、柳沢は感度がよすぎて困っちゃうね」

「ぃや、これ以上は洒落にならないだーねっ! 今日はそんな気分じゃないんだってば―――」

「最初に言ったじゃん。悪戯しますって。ちゃんと宣言したんだから、今更拒否権なんてないんだよ?」

「ず、」


 ずるいずるいずるい、と連呼しても淳は聞いてはくれず、柳沢の下肢へと指を滑らせた。

 うぐ、と呻く。微かな水音と自分の劣情に触れる淳の感覚を、自覚させられ、頭は沸騰寸前だった。


「柳沢ー」

「……っ! な、なんだーね」

「早漏?」

「う、うるさいだーねっ、もう淳のことなんか知らないだーねっ! ダブルス解消かいしょう絶交!」

「ヤだよ。僕が認めないし」


 ね? と囁く淳の吐息が耳元にかかり、頬が熱くなるのが分かる。前回のとき、やたら淳が耳ばかりを攻め、「柳沢は耳が性感帯なんだね?」と笑ったことを思い出したからだ。

 恥ずかしさを紛らわそうと目を泳がせるが、瞳はどうしても淳を捕らえてしまう。


「あ、淳」

「なに?」

「あ、明日は部活あるから、あんまり激しいのは無し、だーね」

「明日じゃなくて今日だけど」


 くすくすと笑い続ける彼を見て、頬がまたいっきに上気した。結局、こうして迫られたら、自分は逃げ場を失ってしまうんだ。と半ば諦めの意も込めて、淳の冷たい頬に自分の頬を擦り付けた。

 淳はそんな自分の首筋に噛みついて、今夜は寝かせないよ? などと、こっ恥ずかしい普段では言わないような言葉を吐いて―――――











 (翌日)

「あ、淳。風邪、ひいただーね……」

「うーん。最近は夜、冷え込むから。一晩裸はきつかったかなあ」

「お、お前のせいだからっだーねっ」

「じゃあ次は看病プレイってどう? お医者さんセット持ってくるし」

「きゃ、キャラ違うだーねっ! やっぱり最近、淳、変だーね!」







 とりあえず、今度同じようなことがあったときは絶対、ぜえったい流されたりはしない、と柳沢は自分に誓った。




おわれ。
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ