BOOK テニプリ
□はろうぃん
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「……んぁっ……や、やめっ……」
「エロいなあー全く」
「う、うるさ、」
どうしよう。触られて、少し弄られただけなのに、身体の熱がどんどん上がってきてしまった。当然、その熱は下肢のほうへと伝わって……。
「――いっ?!」
「くすっ。ホント、柳沢は感度がよすぎて困っちゃうね」
「ぃや、これ以上は洒落にならないだーねっ! 今日はそんな気分じゃないんだってば―――」
「最初に言ったじゃん。悪戯しますって。ちゃんと宣言したんだから、今更拒否権なんてないんだよ?」
「ず、」
ずるいずるいずるい、と連呼しても淳は聞いてはくれず、柳沢の下肢へと指を滑らせた。
うぐ、と呻く。微かな水音と自分の劣情に触れる淳の感覚を、自覚させられ、頭は沸騰寸前だった。
「柳沢ー」
「……っ! な、なんだーね」
「早漏?」
「う、うるさいだーねっ、もう淳のことなんか知らないだーねっ! ダブルス解消かいしょう絶交!」
「ヤだよ。僕が認めないし」
ね? と囁く淳の吐息が耳元にかかり、頬が熱くなるのが分かる。前回のとき、やたら淳が耳ばかりを攻め、「柳沢は耳が性感帯なんだね?」と笑ったことを思い出したからだ。
恥ずかしさを紛らわそうと目を泳がせるが、瞳はどうしても淳を捕らえてしまう。
「あ、淳」
「なに?」
「あ、明日は部活あるから、あんまり激しいのは無し、だーね」
「明日じゃなくて今日だけど」
くすくすと笑い続ける彼を見て、頬がまたいっきに上気した。結局、こうして迫られたら、自分は逃げ場を失ってしまうんだ。と半ば諦めの意も込めて、淳の冷たい頬に自分の頬を擦り付けた。
淳はそんな自分の首筋に噛みついて、今夜は寝かせないよ? などと、こっ恥ずかしい普段では言わないような言葉を吐いて―――――
(翌日)
「あ、淳。風邪、ひいただーね……」
「うーん。最近は夜、冷え込むから。一晩裸はきつかったかなあ」
「お、お前のせいだからっだーねっ」
「じゃあ次は看病プレイってどう? お医者さんセット持ってくるし」
「きゃ、キャラ違うだーねっ! やっぱり最近、淳、変だーね!」
とりあえず、今度同じようなことがあったときは絶対、ぜえったい流されたりはしない、と柳沢は自分に誓った。
おわれ。