闇の中の光

□第6話
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今日は蜜柑にとって初めての、能力別授業の日だ。


学園では今、こんな噂がされている。

『ねーねー知ってる?初等部の新入り。“スペシャル”で、しかもあの棗のパートナーになったって女の子。』

『はあ?何だそりゃ。』

『いっちょ前に女はべらかしてんのかよ、あのガキ。まじムカツクなーあいつ。』

『その新入りって奴、名前なんてーの?』

『えーと、リンゴだか桃だか……何だっけ?』


……蜜柑です。


その頃、蜜柑は教室でみんなの能力別クラスを聞いていた。

能力クラスは、潜在能力系、技術系、体質系、特別能力系、危険能力系の5つがある。


「なーなー、蛍は何系?」

「技術系よ。」

「委員長は?」

「僕は潜在能力系。」

「野乃子ちゃん達は?」

「「私たちも技術系。」」

「…じゃ、ルカぴょんは?」

「……。」

流架は体質系らしい。
ウサギンが看板に書いてくれた。

「棗は?」

「彼は危険能力系だよ。」

棗は教室にいないので、代わりに心読み君が答えてくれた。

(…やっぱりな。そんな気はしてたけど…)


「蜜柑ちゃんは何系?」

「蜜柑っ」

「蛍…大丈夫や。いつかバレることや。」

蜜柑の言葉に、蛍は悲しそうな顔をした。

「ウチは…危険能力系や。」


蜜柑が危力だと聞いて、みんな驚いていた。
1番驚いていたのは流架だった。

(棗と同じ……)


そういえば、蜜柑のアリスをまだみんなに言っていなかった。
知っているのは蛍だけだ。


『蜜柑ちゃんが危険能力系?』

『蜜柑ちゃんって、何のアリスなの?』

クラスのみんなが質問してきた。


「ウチのアリスは、“無効化” “盗み” “入れる”の3つやねん。」

『『『3つもっ!?どんなアリス??』』』

みんな、聞いたことのないアリスに興味津々だ。


「えっと…無効化は、相手のアリスを打ち消すアリスやねん。盗みは、相手のアリスを盗むアリス。入れるは、相手の体の中にアリスを入れるんや。」

『『『へぇ〜』』』


キ――ンコ――ン カ――ンコ――ン

チャイムが鳴り、みんな教室に移動し始めた。


(ウチは、どこに行ったらいいんやろ??棗、探そか…)
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