Parallel World
□Mission1
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やっとのことで化け物から逃げ切ったのは30分後、伸ばそうと思っていた髪の毛が邪魔だと気付いた。
うん、もう少ししたら切ろう。
なんて思いながらも警戒しながら山道を歩く。
もうすっかり暗くなり、足場がイマイチ確認できない状態だった。
―――その時。
笑い声が聞こえた。
それは紛れもなくカンナが探している人のもので。
すっかり化け物に対する殺意に満ちていた表情にも自然と緊張が取れ、安心したような笑みがこぼれる。
『―――シオン!』
『お姉ちゃん!』
草木を掻きわけて声のする方へ行くと、明かりがもれており、其処には二つの人影を見つけた。
そのうちの小さな人影は探し求めた弟で、此方を確認するや否や飛びついて来たシオンの小さな体を抱きしめる。
本当は心の何処かでもう救えないのではないかなんて考えていた。
けれど、また会えた事に涙さえ出てきそうだった。まあ出ないのがカンナなんだけれど。
「お、知り合いか?」
カンナにとっては聞き覚えのある、いや、なじみのある言葉。
顔を上げると其処には口元に笑みを浮かべた赤いコートの青年がいた。
英語を口にする青年の髪は銀色で焚火の光で輝いており、綺麗な青い瞳に整った顔立ち。
ほんのわずかな間だけれど、カンナはその容姿と自分とは違うような雰囲気を持った青年に見とれていた。
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