Parallel World

□Mission1
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鏡を通ると後ろでガラスの割れた音がした。



振り向くと、通ってきたのだろう鏡にひびが入り、触れても何も反応しなくなっていた。






『シオンー!!』






先程鏡を覗いた時に見えた弟の姿、見間違いではないだろう化け物の姿。



その光景が何度も頭をよぎってしまう。



鏡を通ったこの世界と自分達のいた世界の時間軸は同じなのか、来た時は夕方頃だった。








カンナは腕時計を確認する。



…7時。



辺りはもうどんよりと暗く、はっきりとは見えない。



サバイバル生活を訓練として幾度も経験してきたカンナにとっては暗くは無く、恐怖心もない。



ただ、そんな経験なんて皆無の弟の事を考えると、最悪な考えが頭を支配する。



カンナは明かりを探していた。



もしもの時の為に、遭難した時の知恵は与えている。



目印として、獣避けの為、色々な理由があるけれど、暗くなる前に暖を取る事。



シオンは賢い、そう信じているカンナはある意味はぐれた時は暗い方が見つけやすいのでは、なんて考えていたのだが。






『―――!!…しつこいな。』






自分が鏡を通った時のような、SFでよく見る魔法陣に良く似た赤い陣から続々と化け物がわき出る。



ガンホルダーから銃を抜き、一発ずつ頭にブチ込みながら走るカンナ。



改造して威力を極めた拳銃では連射はままならず、反動が強い為に足を止めていては襲われる。



幸いにも、一発撃ち込むだけで砂のように消えていく化け物たち。



それだけは救いだった。







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