Parallel World

□Mission1
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「弟がお世話になりました。ご迷惑をかけませんでしたか?」






我に返り、まじまじと見つめられて怪訝そうに顔を顰めていた男に頭を下げた。





 
「あー、助けて、とシオンだってことぐらいしか言わねえんだ。言葉伝わってないよな?」



「私たちは一応日本で暮らしているので、弟は英語は分からないかと。」



「ああ、成程ね。俺はダンテだ。そこのチビが悪魔に追いかけられてたから助けてやったぜ。」






納得したように一つ頷いたダンテと名乗る男は自慢げに胸を張った。



その時ちらりと見えた2丁拳銃にほんの少し興味がわいた。



カンナは昔から銃火器や機械をいじっており、玩具のように触っていた。



今でも探究心は無くしておらず、自分の銃の改造の腕前でさえまだまだだと謙遜するほど。






『お姉ちゃん、ダンテすっごく強いんだよ!こうね、ばんばんってね、ばけものやっつけるんだ。』



『…そう、お礼は言った?』



『あ、まだ!ダンテ!』



「…あ?どうした?」



「えー…っと、ありがとう!」



「…おう。どういたしまして。」






にこにこと屈託のない笑顔で礼を言った弟に、ダンテは照れているのか、頭をがしがしと掻きながら視線を反らした。



戻ってきた視線が弟を捉えると、ぎこちなく弟の小さな頭へと手が伸ばされた。



…の割に手荒く撫で廻されたので弟は楽しそうにぎゃあぎゃあと、ダンテはその様子を見て悪戯な笑みを浮かべていた。







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