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□第6章
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屯所へ戻った沙梅の姿に土方は絶句した。
全身を乾いた血液で染め、何故か隊服を着ている。
しかも顔の半分が腫れ上がっているのだ。
「歳にい、報告に来たんだけど…」
「……ああ。」
噎せかえる程の臭気に顔を歪めることなく淡々と沙梅は伝えていく。
「手短に済ますね。まず五人、殺りました。」
んなもん見れば分かる。
内心ため息をついた。
「次に、山崎君と私の潜入が感づかれていました。危うくこっちが殺される所だったよ。」
「なに?」
土方の眉間に皺が寄る。
「多分、もう少ししたら総司が古高を屯所に連れて来ますよ。…報告は以上です。質問は??」
眉間にさらに深く皺を刻み、溜め息を漏らす。
「…いつから感づかれていた?」
沙梅と山崎の潜入には穴は無かった筈。
「古高は勘が鋭かったみたいで。ああ、でも新選組とは思わなかったみたい。そうでなければ、私を簡単に殺そうとはしなかったと思うもん。」
ケラケラとこの場に不釣り合いな笑い声が響いた。
「……お前、掴んだ話はこれだけじゃねぇだろ?」
「あ、わかります?でもまだ確証がないから古高に確認を取ってから伝えるよ。」
「………おい「ほら、表が騒がしくなって来た。きっと総司が来たんだよ。」
これ以上は話さない、とにこにこ笑いながら玄関の方を見る。
土方はしばらく考え込み、盛大に溜め息をつく。
「……確認が取れたら報告するんだろ?いいだろう。お前はまず風呂に入って来い。んで、まだ話してねぇことを古高に確認を取れ。場所は、言わなくても分かるな?古高へは俺が先に話を聞く。風呂から上がったらすぐに来いよ。」
沙梅はゆっくりと頷いた。