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□第2章
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いつものように布団に入ろうとしたとき、外が騒がしい事に気がつく。
……血の臭いがする。
面倒事はごめんだが、今は眠気より、好奇心が勝つ。
沙梅は土方の部屋へと向かった。
「歳にい、いる?外が騒がしいんだけど…」
「沙梅か。入れ。」
すっ と障子を開けば浅葱色の隊服を着た土方がいた。
それだけで状況は十分に飲み込めた。
「ああ、なるほど。私も一緒に行っていい…?」
土方は一瞬、怪訝な顔をしたが、事情が事情だからかすぐに了承する。
「足手まといにならなきゃな。俺たちは先に行く。さっさと着替えて後を追え。」
「了解、副長。」
にっこりと。沙梅は空気にそぐわない笑顔を浮かべた。