longのべる
□第1章
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ぴちゃ ぴちゃ
ーーあぁ、またこの夢か
あかい液体と無邪気に戯れる赤ん坊。
わけもわからず遊べるのは無知だからか、壊れているからなのか。
近くに横たわっているのは顔のぼやけた女。
ーーこの人は誰だろう
「ーーっと……げんに…き……ないーー」
ーーーこの人は…
ガンッ
「いっったぁ!!」
「ちょっと、いい加減起きてくれない?って何度言わせるつもり?君って本当に隙が多いよね…」
無理やり覚醒させられた私は私を殴ったであろう人物をいまだに寝ぼけた目で睨みつけた。
「おはよう総司。おやすみなさい。」
「今日は朝餉の当番でしょ。一くんが怒ってたよ。…でもまぁ、僕は起こしたんだし沙梅ひとりで怒られてね。」
変な夢のおかげで寝つきが悪かったからもう一度寝てしまおう。と決め込んだ私に、総司が爆弾を投下してくれた。
「…一くんには怒られたくないから起きる。」
2日くらいは顔をみるたびに言われるのだろう。[寝坊をするな。]と。それは勘弁したい。
にこにこと眺めていた沖田を追い出した沙梅は、早々に支度を始めた。