短編GO。

□鈍感な君のせいで
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※神童が女の子設定
※にょた神童と霧野が付き合ってます



「おはよう楓〜!」

「帰ろう楓!!」

「今日は練習見に来てくれよ!!」

「え?何・・・もしかして俺に惚れてる?」

「楓、顔赤いぞ?保健室行くか!?」

「遅いぞ楓っ!」


アイツの笑顔と共に数々の言葉が思い出される。


顔赤いとか、惚れてる、とか・・・


そんなわけないじゃん、なんてもちろん口が裂けても言えないし・・・。

だって、アンタが好きだから・・・。


「霧野君」

「ん?あー、神童どうした?」

「ココの問題わかんないんだけど・・・」

「ココ?もー、神童は馬鹿だな」

「馬鹿じゃないもーん」

「かわいい」

「霧野君はかっこいいよ」

「ありがと」


そう、霧野・・・霧野蘭丸

私の好きな人・・・同じクラスのピンクツイン

彼女有りのリア充男。

彼女は神童ちゃん・・・雷門市一のお嬢様だ

これまたこの子がかわいくて・・・

到底私にはかなう相手じゃない。


私はそのリア充男に恋をしてしまっているのだ・・・。

私の脳は馬鹿なのか、彼女もいる霧野の事をいっつも目で追いかけている。


遠い存在になってしまった。


大好きなのに。

この気持ちはおさまらない。

この頃なんて、霧野の彼女より霧野の事を愛してるだなんて思ってしまっている。


『駄目だな、私。』



空が紫色に染まりだす頃、私は一人で帰り道を歩いていた

もう冬だ・・・さすがに寒い。

マフラーに顔をうずめ手をさする


『摩擦熱・・・おきねェ』


そんな時だった。

別に追いかけていた訳ではない、たまたまだ。


「霧野君・・・」

「ん?」

「寒いよォ」

「マフラー二人で巻いてるのに?」

「うん。クシュン」

「じゃあ手ェ握って俺のポケットに手、いれとけ」

「ありがとぉ〜」


霧野君と、神童ちゃん・・・だった。

私の前で二人はベッタリくっつきマフラー(多分霧野の)一本を二人で巻いていた。

しかも霧野と神童ちゃんは手を繋ぎ・・・霧野君の学ランのポケットに仲良くおさまっていた・・・。


『あ・・・う・・・。』


ラブラブモード全開の二人を目のあたりにし・・・

私は言葉など出ず、寒い事など忘れてしまった。。。

息をするのも忘れてしまっていた。


知らないうちに私は走り出していた


カバンが重いのも気にならなかった

走るたび吹く風が冷たいのも気にならなかった

涙がありえない量で流れていても気にならなかった

泣いてる事自体自覚出来ていなかった

ひたすら苦しくて、切ない気持ちに襲われた


「楓!?」


霧野の声が鼓膜を掠めた。

自分の名前を呼ばれることがまた苦しくて胸が締め付けられた

霧野の言葉は完全に無視して、走るスピードをあげた



もう追いついてこれない、いや・・・こないだろうと思った所で立ち止まった

猛スピードで走っていて、急にとまった事で息は荒くなった

しんどくて喉が嗄れ、口から水分はなくなった。


『馬鹿霧野・・・』


それだけをなんとか乾いた口から漏らし、後は自分の嗚咽だけが私の耳に届いた。

涙は何故かとまらなかった。。。

どんだけ好きなんだろう、アイツの事。



涙がかれて出てこなくなった時、私は空にむかってもう一度


『馬鹿霧野!』


と叫んだ。

別にすっきりはしなかったけど・・・切なさは少しはれた、気がした。


-END-

★あとがき☆
なんだろうこれ・・・w
神童の女の子設定、すみませんでした!!


20111222

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