頂き物

□10分前
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「ここでxがこうなるからyはこう変化して…」

「…マジか」



先生が説明しながら書いた黒板のグラフと自分のノートに書かれているグラフとを見比べて、小さく呟く。

よく見てみると、せっかく書いたグラフが正解のものと切片の位置が違うことがわかり、書き直さなければならない状況になる。
練習問題とかならば赤で直すだけだから楽なのだが、そのグラフの説明のための例題となるとやはり書き直すしかない。

面倒くさいなあ、なんて思いつつも、頑張って書いたグラフを全部消し終わったのと、先生の説明が終わったのはちょうど同じだった。

…ヤバイ。
あの先生、黒板消すの早いんだよな。

早く写さなければ、とノートの上に散らばっている消しゴムのカスを払う。…が。


「…あっ」

「…?」


勢いやりすぎたせいで、そばに置いておいた消しゴムも一緒にはじいてしまった。

そして、そのはじかれた消しゴムは運良くというか悪くというか、右斜め2つ前の席の風丸に当たってしまったのだ。


ご め ん 。


両手を顔の前で合わせてそう口パクで謝れば、気にすんな、という感じで手を振られる。


「ホラ」


風丸が手を伸ばしてくれる。


「ハイ」


もうちょっと、手を伸ばせば、手のひらに消しゴムが置かれる。



「じゃあこれ消すぞー」

「え」


ありがとう、とお礼を言おうとした瞬間、先生はまだ書き写していないグラフを消した。

…そして、先生が黒板を綺麗にし終えたとき、授業終了を知らせるチャイムが鳴り響いた。


マジかよ…と呟けば、風丸が「まだ写してなかったのか?」と、まさかという感じで尋ねてくる。


「うん…」

「…俺の、見るか?」


黒板消されたのに授業終了とかどういうこと、なんて考えていたら、ホラ、とノートを差し出してくれた。


「ごめん、ありがとう…!」


消しゴムとってもらった上に申し訳ない、と謝りつつお礼を言えば、風丸はどういたしまして、と微笑んだ。


















10分後

ノートを返すとき、お礼は何にしたらいいかな。
そんなことを考えながら、相変わらずの綺麗なノートを写させてもらった。








 







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私たまにやるんです、消しカス払おうとして一緒に消しゴム飛ばしちゃうの(´・ω・`)←馬鹿

今回も相変わらずな駄文ですみません;
では、キリリクありがとうございました!


★返信☆
ありがとうございました!
私も消しゴム飛ばしますwww
共感できて感情移入してました!
いっつもお世話になりますありがとうございました


20120120

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