頂き物
□Like or Love
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「あ」
「ああ、蘭丸。おはよう」
昇降口で見慣れた後ろ姿を見つけ小さく呟けば、その見慣れた―…隣の席の桜は、俺の方を振り返った。
「おはよ。…今日は前髪上げてるんだな」
いつもは分けている桜の前髪が、今日はふわりとまとめて上げられている。
いわゆるポンパドールというやつか。
「うん、邪魔だったからさ。…やっぱり似合わないかなあ…」
いつもと違うというのはなんだか新鮮だな、なんて考えていると、桜が不安そうに首を傾げた。
「いや、全然似合ってる」
思ったことをそのまま伝える。
…アレ、でも、全然って言葉は打ち消しのときにしか使わないんだっけな。
前に国語でやった気がする。
そんなよくわからないことを考えるも、桜はそんなことを気にする様子もなく良かったあ、と嬉しそうに笑った。
「蘭丸ってさ、後ろの髪は邪魔だ、って言うのに前髪は何も言わないよね」
「ああ。分ければ目にはかからないから、特に何とも思わないな」
そんな風に髪型についてはなしているうちに、教室につく。
鞄を机の上に置けば、じゃあさ!と桜が楽しそうな声を上げた。
「蘭丸も前髪上げてみる?ヘアピン2つ持ってるし!」
「は?」
何言ってるんだよ、と桜を見れば、ピンとくしを持って準備していた。
「誰がやるかって」
だからそんな構えて待ってるなって、と言えば、桜がしょぼんとした表情になった。
「私とおそろ、そんなに嫌…?」
「いや、決してそういうわけじゃ…!!」
あわてて否定すれば、桜が心なしかにやっと笑った。
「じゃあ、今日は1日おそろの髪型だね!」
「はあ!?」
ったく、何でこうなるんだ…
しょうがないなあ、なんて思って大人しくホラやれ、と椅子を近づければ、桜が慣れた手つきで俺の前髪を上にあげる。
「ハイ、できた」
桜がいつも使っている鏡を差し出される。
見てみれば、なんていうか…新鮮と言うより見慣れなさ過ぎて変な感じだ。
「悪い、やっぱ下ろ…」「駄目」
謝りながら元の前髪に戻そうとすれば、間髪入れず桜が俺の手を掴んだ。
「大丈夫だって。こういう女子高生よく見るもん」
「女 子 高 生 と か 言 う な !」
女子という単語に反応してムキになれば、ごめんごめん、と謝られる。
「でも、ホントに似合ってるよ?私より似合ってるんじゃない?」
「いや、それはないだろ…」
なんだかんだで桜の方がこの髪型が似合う気がする。
そんなことを考えれば、桜がそれにさ、と口を開いた。
「同じピンで同じ髪型って、すごい仲良く見えて良いと思うんだ」
Like or Love
そんなことを言われたら、変な風に期待してしまう。
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1万打企画3作目!
最早ほのぼの甘ではない気がします。
いやむしろほのぼの甘じゃない気しかしない!←
でも個人的に霧野の前髪アップ見てみたいです。ものすごく。
書き直し・返品いつでも受け付けます!
では、企画参加ありがとうございました(^-^)
★返信 >>
いや、ほのぼの甘ですよ
ほのぼのしてますもん。甘いですもん。←
変なリクエストして、すみませんでした
私も前髪アップ蘭丸見てみたいですw
返品なんてしません((キリリッ
ありがとうございましたぁぁぁ!
20111225