神子さまたちと野獣たち

□神子さまお宅訪問〜あかね編
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あかねはため息をつきながら、家の鍵をかけたのだった。


そして、花梨の家の最寄り駅まで行くと。
「あっかねちゃーんっっ!」
元気な花梨の声が響いた。
「花梨ちゃんっ」
はぐっと抱き合う二人。
「どうしたの?一人?」
「うん、彼、急にお仕事が入っちゃって」
「そっかぁ。それは残念だね。あ、でも取り敢えず私の方は紹介したげるね?」
「ちょっとぉ、見せつけないでね。私一人なんだから」
あははっ。
ふふふっ。
二人はじゃれあいながら、花梨の家に向かった。


さて、その頃。
自宅で待ちぼうけを食らった野獣が一匹(…)、のんびりパソコンの画面を覗いていた。
「あかねちゃんのお迎えは私一人で行ってくるね?」
緊急の仕事でメールのやりとりが必要になった翡翠を置いて、花梨はさっさと行ってしまったのだ。
「一緒に行くよ、どうせ大した事ないのだからね?」
と言ってはみたものの。
その後優秀な秘書は社長が逃走するまえに!と言わんばかりに家に押しかけ。
「これ、今日中に確認・決済しておいてくださいね?出来なかったら花梨ちゃんを貰って行っちゃいますからね?」
と脅しをかけて帰っていってしまったのだ。
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