神子さまたちと野獣たち

□神子さまお宅訪問〜あかね編
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友雅の言い分を無視し、幸鷹はずずいっと迫った。
「だから、今日はきゅ…」
「きゅ・う・か・んです!」
幸鷹はじろっと友雅を睨んだ。
「まったく、直通の携帯まで切って…」
「友雅さんっ!」
あかねが目を丸くしたのを見て、友雅はちっと舌打ちした。
いざ、という仕事の為に、友雅は病院からの直通電話を持たされていた。
だが、あかねとのいちゃいちゃ(×∞)を邪魔されるのを嫌がり、時たま電源を切ってしまうのだ…。
勿論そんな事を真面目なあかねが知れば、泣かれるか怒られるかのどちらかなので黙っていたのだが…。
「どーしてそんな事するんですかっ!」
あかねがうるうると涙を零しはじめた。
やっぱり…。
こういう泣かれ方に弱い友雅は、困ったようにため息をついた。
「今日はたまたまただよ?ほら、充電を忘れただけで。だから…泣かないで?」
「…」
信じられませんっ!とばかりにあかねが睨むので、友雅はわざとらしくため息をついた。
「だが、今日は君が大事ないとこ殿との約束した日だろう?」
「何言っているんですか!こっちの事はいつだっていーんですっ!友雅さんの助けを求めている人がいるんですから、そちらに行ってくださいっ!」
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