神子さまたちと野獣たち

□始まりの日
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おっとりほのぼのなイメージのあるあかねから、逆プロポーズなんて言葉出て来るなんて思わなかったからだ。
それに、自分のところを棚にあげるようだが、友雅との歳の差を考えると、どう考えても友雅のほうから、と考えてしまう。
「だっだって友雅さんかっこいいでしょ?素敵でしょ?だから、ほ、他の人に取られちゃうって不安になっちゃって…つい…私の側にずっと側にいてください、他の人を見ないで、私だけを見てください、って…」
「だ、大胆だね、あかねちゃん…」
花梨は従姉妹の意外な一面を垣間見て、びっくりした。
だけど確かに、あの友雅のあの容姿やら美声やら、性格(花梨には一部しか見せていないので、本性に気付いてません)を考えると、あかねが不安になるのも当たり前で。
それは翡翠についても同じ事だった。
翡翠は、花梨には始めから子供というか…悪戯っ子というか…あのいぢわるで俺様な性格を隠してはいなかったが、基本、女性には優しいのだ。
優しさしかみせないのは、自分とその女性との間に、わざと壁を作り、ある一定の部分にしか入らせない事を示しているのだが、勘違いする人もいる。
花梨はそれに気付くにはまだ人生経験値というものが足りないから、いつでも心配なのだ。
それに、翡翠との間に、ずっと悩んできたものがあった。
それは、いまの関係をずっと続けていていいのか、という事だ。
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