いただきもの
□星追
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この世界を永遠に動かし続ける時を造っているのは私達、この世界に住む人々だ。人だけじゃなくて、動物や自然、存在する全てのものがこの世界の時間と言うもの造り上げている。
私は村の離れにある泉で空を見上げるのが好きだ。別に村が嫌いなわけではなくてむしろ正反対、大好きだ。村中が家族のような賑やかさを持つ雰囲気で居心地がいい。けれど泉はまた違った雰囲気を持っていて好きだった。木々の揺れる音と泉の水音しか聞こえることがなく静寂に満ちた中光が溢れている、そんな場所。夜は泉が月明かりを浴びているからなのか不思議な光を放ち水がたゆたう。
それはとても綺麗で、幻想的で、言葉を失ってしまう程のもの。その景色を毎日目に焼き付けるために私はここに来る。そうして私が泉に来ると、必ずと言っていいほど後からリンクが現れるのだ。今日だってそう。
「流れ星とか流れないかな…」「んーどうだろ。流れたらいいよな」
流れたら、そしたらどうしよう。え、何が?お願いだよ。3回言うやつ?そうそれ。星が流れる間に言えないだろ。そこは根性と喋る速さに任せるの。ははっ。
隣に立つリンクとそんな話をしている間に素早く星は流れて、消えた。しまった、話に気を取られて願い事言えなかった。隣でニヤリと笑顔になっているのが見なくてもわかる。
「根性は?」
「むぐ…」
「速く喋るんじゃないのか?」
「ぐっ…」
「願い事言えなくて残念だったな?」
「…リンクやけに意地悪ね」
そうだ今日彼はやけに意地悪。と言うよりも、落ち着かないと言うか緊張しているというか。
「俺意地悪じゃないよ」
「そ?じゃあやけに緊張してるよね」
「……」
(今日のリンク本当に変なの)
最後の一言でリンクは突然黙った。私の方から視線を反らして空に向ければそこには闇の海に散らばる無数の星。
昔、流れ星は流れて消えるまで長い時間をかけていると言うのに人から見れば一瞬だと聞いたことがある。
人の一生も同じで他人から見れば長いが、世界から見ればそれはひどく短いものなのかもしれない、流れ星ときっと同じ。時間って不思議だ。なんて、その時ふと思った。
「なー…」
「何?」
「いきなりなんだけど、さ」
「?」
空から目を離した私はリンクと向かい合う形になる。とても真剣な表情。けれどほんのり頬に赤みを帯びていた。
泉の真ん中で立っている2人を淡い光が映し出す。ロマンチックってこういう事を言うのだろうな。
「これからも、俺と、ずっと一緒にいてくれませんか?」
その言葉は本当にいきなりの事で驚き頭の中が真っ白になった。けれども反芻していくうちに嬉しさが込み上げて泣きそうで、私きっと今変な顔。ねぇ、リンク、その言葉の意味ちゃんとわかってるよね?
答えは勿論、決まっている。
「……はい。喜んで」
返事を聞いたリンクは嬉しそうにはにかんだ。そして私の左手を掴み口元に寄せて薬指にキス。
「絶対、幸せにするから」
「宜しくお願いします」
私はこれからも長い長い時の上を歩いていく。それは世界にとって僅かな時にしかならなくて、こうして泉に立っている間だって私にとっては長い時間でも世界にとっては短い時間。きっと儚いものなのだろう。けれどリンクとならばそれもいいのかもしれない。
ね、これから2人手をとりあって歩んでいこうか。
Fairyroad 1st anniversary!!
very very thank you!
(意味不明で申し訳ない…!)