黒曜編「最強ヒットマン」
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ダレンが13歳になった時だった
義父がダレンにザンザーレファミリーのボスの座を譲ったのだ
そしてダレンはこの日からザンザーレファミリーの6代目ボスになった
『兄ちゃんおめでと!!』
「兄ちゃんじゃなくて、ボスだろアスナ?」
『ΣΣえ!?
………ボ……ボス…///』
「ぶっ!
マジで言ってるよコイツっ」
『あ!騙したなぁー!!』
「騙されるほーが悪ぃーんだよ
バーカ、バーカ!」
ダレンはボスになっても変わらずオレに接してくれた
ダレンの継承式の時はオレも見に行った
その時のダレンは凛々しくてかっこよかった
仲間思いで頼れるボス……
それがダレンだ
オレにとってダレンは優しくて面白い兄貴だった
だが、そんな夢のような時間はそう長くはなかった………
ガチャ―…
『兄ちゃん〜?』
「何だアスナ?
オレは忙しいんだ、構ってられないぞ」
ダレンはボスになってから毎日が忙しく、家にいる時はずっと自分の部屋で仕事をしていた
『あのね、今日は何の日かわかる?』
「何の日かって…?
なんかあったか今日…?」
『!!』
「どーした?」
『ううん、何でもないよ
邪魔してごめんなさい。
仕事がんばって…』
ガチャン―…
その日はオレの誕生日だった
決してオレの誕生日を忘れない義兄がオレの誕生日を忘れていた…
どんなに忙しくても“おめでとう”と言う一言が欲しかった
本当は構ってほしかったんだ
『母さん……』
「あら、アスナ」
『兄ちゃん、私の誕生日覚えてなかった…』