黒曜編「最強ヒットマン」

□40
1ページ/4ページ





ダレンが13歳になった時だった

義父がダレンにザンザーレファミリーのボスの座を譲ったのだ

そしてダレンはこの日からザンザーレファミリーの6代目ボスになった




『兄ちゃんおめでと!!』


「兄ちゃんじゃなくて、ボスだろアスナ?」


『ΣΣえ!?
………ボ……ボス…///』


「ぶっ!
マジで言ってるよコイツっ」


『あ!騙したなぁー!!』


「騙されるほーが悪ぃーんだよ
バーカ、バーカ!」




ダレンはボスになっても変わらずオレに接してくれた

ダレンの継承式の時はオレも見に行った
その時のダレンは凛々しくてかっこよかった

仲間思いで頼れるボス……
それがダレンだ


オレにとってダレンは優しくて面白い兄貴だった



だが、そんな夢のような時間はそう長くはなかった………




ガチャ―…




『兄ちゃん〜?』


「何だアスナ?
オレは忙しいんだ、構ってられないぞ」




ダレンはボスになってから毎日が忙しく、家にいる時はずっと自分の部屋で仕事をしていた




『あのね、今日は何の日かわかる?』


「何の日かって…?
なんかあったか今日…?」


『!!』


「どーした?」


『ううん、何でもないよ
邪魔してごめんなさい。
仕事がんばって…』




ガチャン―…




その日はオレの誕生日だった

決してオレの誕生日を忘れない義兄がオレの誕生日を忘れていた…

どんなに忙しくても“おめでとう”と言う一言が欲しかった

本当は構ってほしかったんだ




『母さん……』


「あら、アスナ」


『兄ちゃん、私の誕生日覚えてなかった…』




 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ