AK

□さぁ、お茶会の始まりだ
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(妄想;SS)


神威の提督就任を祝う、元老院主催のパーティに参加しないわけにもいかない。
せめて料理をたらふく食べるぞ!と意気込んでいたが、きゅっとウエストを締め付けるドレスによってそれも断念せざるえなそうである。

(阿伏兎に選ばせるんじゃなかったなァ)

いつもの格好でいいではないかと思っていたが、団員たちに何やかんや唆されてドレスを着ることになったのだが、神威は自分ではどれがいいのか分からず阿伏兎に頼んだのだった。
真紅のバラのような赤の生地で、チューブトップにスカートは膝より少し上程度の丈だが、ふんわりとした段が3つもついている。またそれだけでなく、阿伏兎はご丁寧にもスタイリストとか言う人まで呼んでいて、いつもは無造作に束ねられている髪は後頭部でお団子のように纏められ、顔にもけばくない程度だが、大きな青い瞳がさらに大きくぱっちりと強調するような化粧が施されてしまった。
出来上がった自分を鏡で見て、神威は驚いた。鏡に映る自分が自分でないように見えて、神威は少しばかり不安になった。誰だ、これは……

ちらりと後ろで控える部下の顔を見る。視線に気が付いたのか、ペシリとお尻を叩かれた。セクハラ、と目で訴える。すると相手は、顎でくいっと正面で先程から長々と喋っているジジイの方を示して、ちゃんと前を向いていろ、と返してくるのだった。

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