☆小説『ディアイザ』☆

□恋人
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「イザーク、本当に大丈夫?」

「あぁ。そろそろ戻らないとな。シホも心配してるだろうし。」

「そう?じゃあ、行きますか!」



本当はまだ『恋人』の時間に浸っていたい。

けれど自分たちは艦を担う隊長と副官で。

特にイザークは仕事に関しては、妥協を許さないところがあった。



ディアッカは名残惜しい気持ちを抑えて、医務室を出ようと扉のロックに腕を伸ばす。

が、その腕は決して強くない力で掴まれた。



「イザーク?」

「・・・・・・・・」



腕を掴んだ主は何も言わず、ただ俯いている。

どうしたのか?と顔を覗き込むと、蒼の瞳は不安に濡れているようだった。



「イザーク、どうした?」

「ここを出たら・・・隊長と副官に戻らねばならん。」

「・・・名残惜しい?」

「ッ!!!誰がっ!!」

「だよね。ここを出ても俺たちが『恋人』には変わらないんだから。」



そう言ってディアッカは両手でイザークの頬を包み、不安を拭うように優しい口付けを額に落とす。

それでも蒼の瞳はまだ不安げに俯いている。




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