☆小説『ディアイザ』☆
□軍服C
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あの日からもう1週間が過ぎた。
あれからイザークには1度も会っていない。
イザークは戦後処理やラクス嬢の護衛などで、軍本部や評議会に出向いている。
俺は俺で引き継ぎや申請などでボルテールとアーク・エンジェルの往復だった。
会いたい・・・・。
「はっ、未練タラタラじゃん。」
「ディアッカ?」
俺の呟きに反応したのは、俺と同じオーブの軍服を纏ったアスランだった。
「いや、何でもない。」
「・・・・・そうか。なぁディアッカ。お前本当にオーブに行くのか?」
「その質問、何回目だよ?」
アスランは一緒にオーブに行くと伝えた日から、この質問を俺にしない日はなかった。
「大概、しつこいよ?」
「悪い。でもお前がオーブに行って、大丈夫なのか?」
「あぁ、引き継ぎはほぼ終わってるし、シホは優秀だから問題ないさ。」
「隊のことじゃない、イザークの事だ。」
『イザーク』
名前を聞いただけで胸が締め付けられる。
それと同時にどうしようもない『愛情』が溢れる。
でも、もうあいつに俺は必要ないんだ。
大概、俺もしつこいな。
「大丈夫だから俺にこの軍服、渡したんでしょ?」
「ならいいんだが・・・」
「何?気になる事でもあるの?」
「あぁ・・・実はこの前アーク・エンジェルでイザークに会った時なんだが。」
「アーク・エンジェルでって・・・イザークがアーク・エンジェルに来たのか?」
「え?あぁ。その時オーブの軍服を持っていたから取りに来たんだろう。」