小説倉庫
□飼育
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淳は何か嫌な事があると眠れない体質だった。
そんな時は、夜な夜な、異母兄弟である弟の光の部屋に行く。
光は2年程前、サッカーの練習中に脚を怪我して以来、
療養という名の下に、地下の
部屋に閉じ込もっていた。
怪我はもう回復してもいいはずの頃なのに、光は精神的ショックから歩けなくなってしまって、とうとう部屋から出てこなくなってしまった。
そんな光を、淳は地下室は外部に音が漏れる事がないことと、光が兄である自分に逆らえないことをいい事に思いのままに犯して自分を慰めていた。
最初に行為に及んだのは1年半程前だった。
その時両親は離婚調停中で家庭内が荒れていた。
淳は誰にも相談する事が出来ず、気晴らしに地下で生活している弟に話を聞いてもらおうと地下の光の部屋へ足を運んだ。
この時、両親が忙しかったのもあるが、
光の部屋に訪れるのは淳と、使用人の加藤だけだった。
光はよく話を聞いてくれた。
最初はよい話相手が出来たと喜んでいたが、次第に、外の世界の不条理から完全に隔離されている弟が羨ましくなり、妬むようになっていた。
弟のことは愛しているが、乱暴にしたいという矛盾した欲望が淳の中に渦巻いた。
ある日とうとう抑えきれなくなり、昂ぶった感情をぶつけるように犯した。
以来、それが癖になってしまった。