凩の吹く刻

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苛々する。
ほんの少しだけ、旋風の心はさざ波だっていた。

滝人の言葉と眼差しが、頭を巡る。

「叔母上たちが良い顔しねーぞ」

そう言いつつ、彼の瞳自体にも、拭い去れない感情が映っていた。


彼女だけが、受け入れられない。


重い感覚に、旋風はそっと目を伏せた。



 
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