BG/Happinees

□いわゆる、ただのやんちゃ。
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きーんこーんかーんこーん…。



チャイムが鳴って、いつもの窓際に、みんなが集まる。






「はああーーー、だりい〜」



鷹博はなんというか…めんどくさがり屋だ。



「何で?」

「日狩が大量のプリント運べってよ」

「…そう。頑張って。」

「…。」




赳はなんというか…冷たいやつだ。



「手伝えよ」

「…えー…」

「ツケといてくれよ、な、赳クン?」

「…面倒だよ…」

「…俺が手伝おう、鷹博っ」




光弥が会話に割って入ってくる…。ハッキリ言って、ちょっと…うざい…。




「…お前に頼んでねえだろ、空気読め」

「ぐっ…、嫌がる赳に頼めてなんで俺に頼んでくれないんだっ…」

「ふん。赳は俺の補佐だから付き合う義務があんだよ」

「な、なんだよソレっ…」

「赳…キミって人は…いつの間にっ」




ただ付き合ってほしいだけ。

ただ側にいてほしいだけ。

なのに自分勝手な言葉しか口から出てこない。


でもホントはただの照れ隠し。


甘ったるい言葉なんて、恥ずかしくて恥ずかしくて、絶対言いたくないだけ。

ましてや第三者に聞こえる場でなんか


何が何でも言ってやらない。






「頼むよ、な?な?」



肩を組んで、光弥から離れる。



鷹博は『言葉巧みに僕にゴリ押しする』がとても得意だ…。

だけどさっきの言葉は聞き捨てならない…

補佐って事はつまり…僕の事を……そわそわ…




「はあ…わかったよ、しょうがないな…」

「ははっ。流石俺の可愛い赳クン」

「…っ……」





赳は俺のオネガイを聞いてくれる。


偉そうな言葉の真意を聞いてきたりもせず

甘い言葉で囁いてほしいとも言わずに

俺の言葉のまま、俺のオネガイを、聞いてくれる。




「じゃ、行こーぜ、赳」

「…うん…」





残念。光弥。


俺の横は赳のモノでした。
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