恋愛人形〜Delusion kiss〜
□prologue
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優凪『あ〜!今日も1日こき使われたぁー!!』
暗い夜道、4月初めの爽やかな風が吹き抜けていく。
少し肌寒い風だが、仕事上がりの体に心地いい…
軽く背伸びをした後、帰路を急ぐこともなくのんびりと歩く。
優凪『明日から久々の連休♪たっぷり乙女ゲー堪能するぞぉ〜……の前に、自転車のパンク直さなきゃだ(汗)』
軽く溜め息が出る…
(一人暮らし満喫は良いけど、これじゃ良くないよねぇ…。恋人…でも居れば違うのかな?)
空を仰げば、大きな満月が穏やかに銀色の光を夜道に落としている。
幾らか歩いた時、道の先に見慣れぬ灯りが見えた。
(あれ?あんなとこに、店なんてあったかな?)
近付いて見てみると、アンティークな雑貨屋のようだ。
店の名前は……
優凪『…夜空堂?!』
(あれ?…この名前、どこかで……)
不思議に思いつつも、何かに導かれるように店内に入っていった。