鬼灯-夢想禄-
□可愛くて
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気が付くと、いつの間にか目で追っていた。
無駄なくらい元気で、
生意気で、
年頃の割には純粋過ぎるくらい初心(ウブ)で、
だけど、子供扱いするとむくれて怒る。
「…面白い奴」
でも…
その笑顔は…
キラキラ光る太陽の様で…
俺は…心惹かれていた
魁童「よぉ、竜尊!今日も散歩か?」
ここは、黄玉の道。
最近、散歩する際 最後に訪れる場所。
それは……君が居るから。
竜尊「あぁ、ジッとしてたら呆けちまいそうだからな(笑)」
魁童「ハハッ!違いねぇ(笑)」
なんて事ない会話。
それなのに…どうして胸が熱くなる?
竜尊「魁童、お前もどうだ?一緒に歩かないか?」
魁童「あぁ、いいぜ♪」
並んで歩けば、金の髪がフワフワと隣で揺れる。
大きく振っている腕。
それを掴み、直ぐにでも胸の内に引き寄せたくなる。
そんな衝動を抑えるのが、こんなにも苦しいなんて…
魁童「……そんで、そこの店の団子が最高でよ〜♪」
竜尊「お前の話は、食い物ばかりだな。年頃なんだし、食い気より色気に目覚めろよ(笑)」
魁童「ばっ…!///俺は竜尊みたいに色惚けしたかねぇんだよ!」
竜尊「ふっ…言ってくれるなぁ」
俺たちは崩月山をぐるりと歩き、石榴の祠近くの大樹まで来ていた。
並んで座る魁童の体は、思いの外小柄だ。
竜尊(こんな小さかったか?)
そんな事を思って見ていると、魁童の視線とぶつかる。
魁童「なぁ、竜尊。俺の話…面白くなかったか?」
不安そうに見上げる目…その奥には、宝石のような金色の瞳。
真っ直ぐで純粋な瞳を見つめていると、悪戯してしまいたくなる。
竜尊「そんなことないさ。いつも楽しませてもらってるぞ。」
笑ってみせると、不安を見せていた顔が 一気に明るくなる。…あの太陽の笑顔で。