Dream


□さあ、そのドレスを紅に染めよう
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壊したい。

欲望にも似たその衝動を抑える術を、一体誰が知っているというのか。





『…メフィ、スト』




…嗚呼、美しい。
絶望に満ちたその表情は何故これ程に私を掻き立てる。




『な、んで…?』


「何で?…可笑しな事を言いますねぇ」




言った筈だ。
私以外の者と話すな、目を見るな、笑顔を作るな、触れるな、関わるな、考えるな、と。





「…お前のその双眼は何の為にある?」




私を映す為だろう?

他のものでもない、私だけのモノだ。




『……っ』


「お前はただ、私だけをその目に映せばいい」




絶望に染まる名前の唇に歯を立てる。
痛みで身を捩るそれを押さえつけて、血を啜った。





『い…ぁっ』


「…ああ、やはりお前には血が似合うな」




…今すぐにその心臓を抉って、純白に滑る身体を甘美なる紅で汚してやりたい。

クク…まさかそのような戯れ言に腕を伸ばそうとするとは…





「…私はとうに、狂っているのだろうな」




…ああだが、私を狂わせたのは紛れもない名前。
ならば、その罪償って貰おうではないか。





「愛していますよ」









滴り堕ちる己の血で。











絶対零度」様に提出

狂愛…なのかな…
メフィストらしさを出せなくてすみませ…!orz

素敵な企画に参加させて頂き、ありがとうございました!



2011/11/16

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