Dream


□そう言って彼女は嗤った
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なんて、残酷なんだろう。

突き付けられた拳銃は、まるで私の命を握っているかのように意地悪く嗤う。





「…悪魔、だったんだね」


『……うん』




何でかな。
心地いいと感じていた彼の顔が、こんなにも冷たく聞こえるのは。





「…っ、名前…」


『いいよ。大丈夫だから』




だから、撃って。

純粋なあなたの心を踏み躙った私を、どうか赦さないで。





「僕は…」




その言葉の先は、聞きたくない。
聞いてしまったら、きっと私は泣いてしまうから。





『愛してたよ、雪男』




震える暖かい手に自分のそれを重ねて、引き金を引いた。

生々しい音に、視界の端に映るモノ。
…ああ、なんて黒ずんだ朱。それはまるで人の心を捨てきれなかった、私の心のようだ。





「名前…っ」




…自惚れても、いいのだろうか。
頬を流れるそれは、私の為に、流したモノだと。

どうか最後にひとつだけ、我が儘を言えるなら。





『私を、忘れないで』







悪魔の囁きを、

あなたに微笑んで。











死ねたです。悪魔ヒロイン
短いけど思い入れがあったり…



2011/11/05

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