Dream


□生きる理由は
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『土方、さん…っ』




土方さんが、怪我をした。仲間を庇って、自分が傷を負ったと。




「……うるせェ。傷に響くだろーが…」


『…っ、』




痛々しく身体に巻き付けられた包帯。苦痛に満ちた表情が、痛い。




『…こんの、ニコチンマヨラーバカ!何怪我してだてめーは!!』


「ァア!?バカって何だバカって!…くっ」




大声を出して傷に響いたのか、土方さんの表情が少し強張る。




『心配、したんだから…っ』


「……」


『ひじ、かたさんが、いなくなっちゃうかと、思って…っ』


「……名前」




ふと、髪に触れる手。
大好きな大好きな手は、包帯に巻かれていて温もりを感じる事が出来ない。




「……悪ィな」




覇気のない声。
…わかってる、だって土方さんは仲間を護ったんだもの。命があるだけで十分だって。

…でも、





『もっと上手く躱すとか出来なかったんかィイイイイイ!!』


「痛ッェエエエエ!!」




傷口を渾身の力を込めて握り締めれば、土方さんは発狂しながら血を吹き出した。




「てっ、てめゴフッ何しやゲフッんだ!!」


『うるっせえ!第一私にシリアスさなんて似合わないんだよコノヤローが!』


「知るか!!」




土方さんの元々開いてた瞳孔は更に開いて、ガクガクと身体が小刻みに震え出した。





『…早く元気にならないと、許さないから』


「……わかってらァ」




ぽつりと呟いた私に、土方さんはクスリと笑った。





「お前ェを残して誰が逝くかよ」




そう目の前の口角がいやに笑んで、ザラついた包帯が私の頬を撫でた。







俺は生きて返って来れるんだ。



(…土方さんなんて、大好きだバカヤロー)
(おう、俺もだ)
(う、ふぇ…っ)
(…泣くなよ。…って鼻水汚な!止めろっ俺動けね…ァ゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!)











オチはね(笑)



2011/10/23

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