Dream


□オトナの女
1ページ/1ページ








『…銀ちゃんなんか、パフェになっちゃえばいいんだ!』


「何だとコノヤロー。ぜひなりたいです」


『ムキーッ!』




私は今、絶賛怒り中だ。だけど、銀ちゃんに悪口を言っても簡単に返されてしまう。




「だいたいよー、チャンネルごときで熱くなってんじゃねーよ。あ、結野アナだ」


『銀ちゃんがリモコン横取りするからじゃん!て言うか結野アナなんてただの年増だし!』


「名前…言っていい事と悪い事があるんじゃねーのか?」




ちらりと横目で私を見る銀ちゃんの声色はいつもより低い。そんな目で見たって謝らないんだから!




「女の色気は年を重ねる度に増すんじゃねーか。…やべ、今俺イイ事言ってね?流石銀さん男前ー」


『……』




ボリボリと横になって尻を掻くこの男の股に付いてる異物を今すぐ蹴っ飛ばしたい気に襲われた。




『……』


「名前?お前何ふて腐れてんだよ」


『……別に』




ぷい、とそっぽを向くと寝転がっていた銀ちゃんがテレビを消して私の隣へと座り出す。




「名前?」


『……』


「名前ちゃーん」


『……私怒ってるもん』




…無視を決められないのは私が子どもだから。

わかってるもん。
銀ちゃんは私よりずっと大人だし、オジサンだし、グータラだし、稼ぎないし。




「…あの、名前ちゃん?ズレてるズレてる。ホントの事だけどそんなストレートに言われたら銀さんのガラスのハート粉砕しちゃうから。実は打たれ弱いからねボク」


『……ふんだ』




銀ちゃんの言葉にちょっとだけムカムカが静まった気がしたけど、銀ちゃんはまだ許さない私に焦ってるのがわかる。いつもは私が痺れを切らして甘えに行っちゃうんだもん。

…今日は、私のせいで振り回される銀ちゃんを見てみたい。




「…名前?なあ、こっち向けって」


『……』


「…ったく、強情なワガママ姫だな」


『え……ひゃあ!』




苛ついたような声が耳元に響いたかと思えば、視界が反転して、目の前には天井と銀ちゃんの顔。
私は見事に押し倒されていた。




『ぎ、ぎぎぎぎ銀ちゃん…?』


「お、やっと名前呼んだな。でも許してやんねー」


『へ……ひぅ、んっ』




くい、と私の顎を掴むと銀ちゃんはそのまま口づける。




『ふ、う…』




ソッと離れた唇からは銀の糸がつぅ、と繋がっていた。




「エロ…」


『…っ』


「悪ィけど、今日は加減出来ねェからな?」




お前は俺を怒らせたんだ、その責任は取って貰うからな。

と、口角を上げてそう言う銀ちゃんは男の目をしていて。




『銀ちゃんこそ…私以外の女に惚れられないようにしてやるんだから』




覚悟してよね。

ニヤリと笑う私に目を見開く銀ちゃんが視界に映る。
それもすぐに挑発的な笑みに変わると、挑むところだと言わんばかりに首筋へと噛み付いてきた銀ちゃんに、内心含み笑いをしながら…私は押し寄せる快楽に酔ったのだった。







貴方の世界はいつも私でありたいから。



(銀ちゃん)
(ん?)
(好きだよ)
(……俺もだバカヤロー)











銀さん好きだ!←



2011/10/23

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ