Dream
□その距離、ゼロ
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好き、好き、大好き。
そう思う度にきゅう、と胸が締め付けられて、愛しさが溢れ出す。
…だからきっと、認めたくはないけれど、私は彼にベタ惚れなのだ。
『…なー、竜士』
こてんと隣に座る竜士の二の腕に頭を付ける。
背の高い竜士と平均より低いくらいの私との差は30センチ近くある為、肩に乗せたくても乗せられないというのが現状。…でも、私はそれが好き。
「ん?なんや、どうかしたんかえ?」
だって、私を見下ろす竜士の顔が見れるから。
『……ふふっ』
「…?俺の顔になんか付いてるんか?」
少し眉間に皺を寄せる表情は、きっと他の人が見たら怖いかもしれない。
『んーん。ただ、竜士が好きやな思ただけや』
「…なっ!?」
『あはは、顔真っ赤やね!』
ボッと顔を真っ赤に染め上げる竜士は、私にそう言われて恥ずかしくなったのか、ガシガシと頭を掻いた。
「…きゅ、急にそないな事言うんやない!あ、焦るやろ…」
『せやかて好き言うた後の竜士の顔がかいらしいんやもん』
「かっ、かわ…!」
ビクリと肩を震わせて固まる竜士が本当にかいらしくて、腕に寄り添いながらくすくすと笑っていれば、
『…あ、れ?』
視界が急に反転して目の前には竜士と天井が。
怒ったように皺を寄せる眉間とは別に、口元はニヤリと弧を描いている。
『りゅ、竜士…?』
「おん」
『や、おんやのうて…何で私押し倒されとるん?』
私の身体を包み込むように覆い被さる竜士が、ククッと笑った。
「お前がかいらしい言うからや。…わからせたらなあかんやろ?」
かいらしいんは、お前なんやって。
『りゅ、竜…ひゃ、』
ちぅ、と頬に口づけられる。それがいやに優しくて、どこか心地いい。
「名前…」
好きや、と言葉を繋ぐ唇。それさえも愛おしいものに感じてしまう私は、きっと末期に違いない。
『…私は、』
…少しでも、私に振り回される竜士が見たいんや。
そう言えば、きっと頬を真っ赤に染めて怒るだろうから、
『愛しとるよ』
言葉で伝えてあげる。
君に溺れてる
(…!そんなん、俺かて…)
(んー?竜士なんか言うた?)
(……お前、こん状況わかっとらんやろ)
(へ?)
(まあせめて、根ぇ上げへんように…な)
(……へぇえ!?)
坊可愛いよはあはa((
2011/11/03