Dream


□私は私を、赦さない
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妹という存在で生まれてきた私は、私を恨んで。
同時に兄という存在で生まれた兄を、私は愛した。…でも、それは決して叶わない恋だと…私は涙を流した。





『柔兄…』




何度、禁忌を犯したかわからない。目の前で寝息を立てるこの人に、何度唇を寄せたのかわからない。




『好き、なんよ…』




…ずっと好きだった。ずっと、ずっと。

一体いつからこの人を男として見はじめたのだろう。いつからか頭を撫でられる事がいやになって、自分以外の女に嫉妬して…私だけを見て欲しいと思うようになった。




『……ほんま、何でなんやろね』




何で、私は妹なん?何で、柔兄は私の兄ちゃんなん?

何で…私は、こんなにも、あんたが好きなん…?




『ふ…ぅ』




ポロポロ、ポロポロ。
目から伝う涙は柔兄の顔を濡らしていく。
…好きなのに、届かない。好きなのに、伝えられない。




『はは…っ、こんな恋、つらいだけやのにね…』




嫌いになれないのは、どうしてだろうか。




『…愛しとるんよ、』




ただ、愛した人があなただった。




『…堪忍、な』




どうか、今だけは、愚かな妹を赦して。







涙の味が、した。



誰かが拳を握り締めていた事になど、気づかずに…











禁断ネタが書きたかったのです
柔造視点も書きたいな…



2011/09/20

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