Dream


□りとるがーる!
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「名前ー、こっちおいでー」


「柔兄せこいで!名前ー、俺んとこ来たらアメちゃんあげるでー?」


「金兄かて物で釣るんセコいやん!名前ー?廉兄ちゃんとこおいでー」


「廉造んとこはあかん!名前が汚されてまう!」


「それどういう意味!?」




ぎゃあぎゃあと言い合いをする三人の間でオロオロするのは今年5歳になる名前。
職員の一人が地方出張で家を空ける為、名前を預かってくれないかと八百造に頼んだ所快く引き受けたのが始まりだった。以来、三人は本当の妹のように名前を可愛がっている。




『けんかしちゃあかんよぅ…』


「あああ名前、涙目で上目遣いはあかんて…!」


「柔兄きしょいわ!名前、ちょお俺と写真撮ろか」


「金兄それ犯罪やから。名前、ロリコン達は置いといて俺と遊ぼなー」


『……う?』




こてんと首を傾げる名前を尻目にまた言い争いを始める三人。
そこに廊下を通り過ぎる蝮が目に映った。




『あっ、まむしちゃん!』


「…?何や、名前やないの」




にこりと滅多に見せない笑みを浮かべる蝮にタタタと走り寄る名前。




『まむしちゃんわらったほうがかいらしよ!』


「な…っ、急に何言うて…!」


『あ、まっかなったー』




かいらしーと笑う名前に顔俯かせる。無邪気に笑うこの笑顔が邪険にする心を溶かすのか、と苦笑する蝮の表情は「ハッ」という声によって引き攣ったものになった。




「ヘビ顔のドブス女がかわええて…そんな訳ないやろ」


「せやな、柔兄。名前のは社交辞令や、社交辞令」


「…何やと。志摩家の申が…名前、こんな下品な申共と居るとあんたまで下品になってまうで。あてとあっち行こか」


「なんやとォ!?」


「ふん」


『じゅうに…きんちゃ…まむしちゃ…』




泣きそうな表情を浮かべる名前に気づかないのか、三人の間にはバチバチと火花が散っている。




「あちゃー…これは暫く止まらへんなぁ。名前、廉兄ちゃんと遊ぼか?」


「廉造ォオ!!」


「痛い!」


『…ヒッ!』




背中に金造の飛び蹴りを受けた廉造はズシャアと床に転がった。




「……去ねや」


「金兄酷い!」




ぎゃあぎゃあ、騒がしく言い争いをする四人にどうする事も出来ない名前。
ふと廊下に目をやると、沈みかかっていた表情が途端に笑顔になった。





「こうなったら名前に誰がええか決めて貰うしかないやろ」


「流石柔兄や!せやけど名前は俺選ぶに決まってるけどな」


「金兄冗談キツいわ。俺に決まってるやろ」


「黙りよし。あてに決まっとるやろ。申共は『きゃー!』…?」




大きく聞こえた名前の声に皆が一斉に振り返る。
そこには、にこにこと笑みを溢す名前と、名前を抱き上げて縁側に腰掛ける八百造が居た。




『やおぞーさんすきー!』


「何や、嬉しい事言ってくれやないか」


『んふふー。だいすきやよー?』


「ははっ。奇遇やな、俺もや」




孫と祖父にも見えるその光景は微笑ましいものにも感じる。

その姿を無言で見つめる四人の心境は、どうにも複雑だったらしい。







でもやっぱり…かいらしいわ。



(…お父)
(ある意味強敵やな…)
(はは…なんか絵になっとる)
(名前…)


(やおぞーさーん)
(ん?どないした、名前)
(あてね、あてね、やおぞーさんのおよめさんなるー!)
(…は?いや、名前、それはちいと無理や)
(えー…?)
(せやけどあの三人の誰かと結婚したら、ずっと一緒に居られるで?)
(ほんまにい!?)
(おん、ほんまや)
(ほんならあてけっこんするー!)
(ははっ、楽しみやなぁ)


(……聞いたなお前ら)
(…おん、俺負けへんで)
(俺かて負けへん)
((…ほんまに、申並みの頭やな。ただのロリコンやないか))











うーん…微妙orz
でも京都はすきよ(^O^)



2011/09/17

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