Dream


□貴方だって、私のもの
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やっぱり好きだなぁって、思う。




『竜士くん…?』




扉から頭を出せば、志摩くんと話していた竜士が笑顔を向けてくれた。




「相変わらずお熱いですねぇお二人さんは」


『ふふっ、でしょ?』


「志摩!余計な事言うんやない!名前もや!」




バシッと志摩くんの頭を叩く竜士くんの顔は赤く染まっている。可愛いなぁ…




「あいた!ちょっとは手加減してくれへんのですか!」


「やかましい!」


「志摩さん、ええ加減にせえへんと頭にコブ出来ますえ?」


「残念や子猫さん、もう出来てる」




あははと笑いながら親指を立てる志摩くんに、ついふふっと笑ってしまった。





「…名前ちゃんほんまにかわええなぁ。坊やめて俺にせえへん?」




甘やかせたるよ?

そうにっこりと私に顔を近づけて、志摩くんは冗談混じりに言った。




『もう、志摩くんてホントに「…ほんまに言っとんのか、志摩」…りゅ、うじくん?』




一段と低くなった声に顔を上げれば、竜士くんが眉間に皺を寄せながら志摩くんを睨んでいた。




「そ、そんな凄まんでくださいよ坊!冗談なんですから…」


「そうですよ、坊。志摩さんの冗談はいつもの事やないですか」


「子猫さん…」




ホロリと泣きそうになる志摩くんを、子猫丸くんが咎める。




「……志摩、次は無いえ。冗談でもそないな事言うたら…」


「い、言うたら…?」


「…虫地獄見せたるわ」


「……」




ニヤリと笑う竜士くんに、志摩くんは土下座する勢いで謝っていた。





『ねえ、竜士くん』


「何や?」




寮への道を歩く私と竜士くんの前には、志摩くんと子猫丸くんが。




『何でさっき、あんなに怒ってたの?』


「……」




そんなに怒る事だったかなぁ…
志摩くんの冗談は当たり前みたいになってるし、いつもは簡単に流してる。でも、さっきは…




「…言わなわからんのか」


『え…?』




急に立ち止まった竜士くんをふと見上げれば、グッと唇を噛み締めながらそっぽを向いていて。
私達の前を歩く二人との間は更に開いてしまう。




「…誰が、好いとる女が他の男に口説かれとる所を見なあかんのや」


『え、口説かれ…?』


「……まさかやと思うけど…自覚なかったとは言わせんえ?」


『え、うん…』




コクリと頷けば、竜士くんは大きく溜め息を吐いてグイッと私の腕を引いた。




『わ、ぁ…っ』




ぎゅう、と強く腕を回されたかと思えば、すぐさま身体を離されて。




『りゅ、じ、く…っ』




その手は強引なのに、壊れものを扱うみたいに優しく口づけられた。




「…っ、俺は、お前が好きなんや。せやから…」




あんま嫉妬させるんやない。




「お前は俺のもんやろ」


『…!』




恥ずかしそうにそう言葉を繋ぐ竜士くんに、私はソッと微笑んで、




『竜士くんも、私のものだよ?』




と、彼の頬へ口づけた。







顔を染める貴方に、私は好きだと囁いた。



(…なぁ、子猫さん)
(どないしはりました?志摩さん)
(俺今盗んだバイクで走り出したい気分やわ)
(……)
(黙らんといてくださいよ!後ろのイチャイチャに俺汚染されてまう!)
(…あぁ、坊と名前さんですか)
(俺も「私のものだよ?」って言われたい!坊ばっかり狡いわぁ…)
(まぁまぁ、ええやないですか。いつか志摩さんにも春が来ますよ)
(こ、子猫さん…!)
(…志摩さん、熱い)











途中から志摩夢やん\^p^/
そしてどうやらうちの子猫さんは強いらしい←



2011/08/18

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