Dream


□こう見えて、頭脳派
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『フェレス卿、この書類ですが…』




理事長室の机で優雅にお茶を飲んでいる人へ手に持つ紙束を差し出す。




「……」


『フェレス卿?』




再度名前を呼べば、ティーカップがカシャンと机に置かれた。




「…勤務時間外ですよ、名前」


『…………め、メフィスト』


「よろしい」




にっこりと笑みを浮かべるメフィストに、ふぅ…と溜め息を吐いた。




「溜め息を吐くと幸せが逃げますよ?」


『しょうがないでしょう。あなたがこうさせるんですから』




諦めたように書類を机へ置けば、チッチッチと唇へ指が置かれた。




「…敬語もナシ、と言いませんでしたか?」




有無を言わせない目に、私はコクリと頷く。そうすれば満面の笑みを浮かべながら乗っていた指が離された。




「名前」




するとメフィストはポンポンと膝を叩いて私の名前を呼ぶ。




『…え、い、今?』


「当たり前です」


『誰か来たら…』


「見せつけてやればいいでしょう。さあ」


『……』




目を泳がせながらメフィストに近づけば、グイと腕を取られあっけなく膝の上へと乗せられてしまった。




『は、恥ずかしいよ…メフィスト』


「そうですねぇ。名前の照れる顔が見られて私は満足ですが」


『…っ』


「クールな名前もイイですが…私は私に翻弄される名前の方が…魅力的だ」


『め、メフィ……んっ』




クイッと顎を持ち上げられて口づけられる。優しく、でも深く。




『ん、ぁ…メフィ、スト…っ』




瞑っていた目を薄く開けると、鋭い目で私を見るメフィストと目があって…見られていた恥ずかしさに、すぐさま目を逸らした。
その瞬間、まるで目を逸らした私を咎めるかのように、口づけは深くなって、




『ん、んぅ…ふぁ、ん…』




私には抵抗する気力も、力もなかった。

やっとのことでメフィストから解放されると、力が入らない私はそのままメフィストの胸に辿り着く。それを見たメフィストはクスリと笑った。




「お仕置きですよ」


『…メフィストの、ばか…っ』


「おやおや、心外ですねぇ。気持ち良さそうな顔をしていたのは名前だと言うのに」


『う…』




そう言われてしまってはもう何も言えない。だって、本当の事なのだから。
何も言わない私に満足したのか、メフィストはソッと私の頬を撫でる。ゆっくり顔を上げれば、愛おしそうに目を細めるメフィストが居た。




『…!』


「どうかしましたか?そんなに頬を染めて…」


『な、んでも、ない…』




…見惚れてた、なんて言える訳ない。




「素直でない貴女も好きですよ」


『な…っ』




目を見開く私に、ニヤニヤと笑うメフィスト。




『……メフィスト』


「何です?」




…きっと私は、この男には一生勝てないに違いない。

なら、




『…私は愛してる』




ほんの少しぐらい足掻いたって…構わないでしょう?







私を苛めるって事、お見通しなんだから。



(……)
(メフィスト?)
(…ククク)
(?)
(……やられましたね)
(!(やった!)
(では、第1ラウンドはソファでよろしいですか?)
(………え?)
(この私を煽った罪は重いぞ。なあ…名前?)
(…!)
(最初はどこから攻めてあげましょうか)
(い、いやぁああ!)









結局は変態化^p^



2011/08/15

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