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□世界に一つだけの…
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「日吉です。起きましたね?さ、行きますよ」
そうは言うものの、なかなか立たない芥川さんはいきなり俺の腕を掴んだ。
「…なんですか?」
「A〜ヒヨ〜」
「うわっ!」
──────ドサッ
いきなり腕を引っ張られ、俺は尻餅をついてしまった。
「っ、た…」
「日吉ィ〜…ギュー…」
「え、なっ!?」
尻餅をついたところに飛びつかれたせいで、俺は芥川さんに押し倒されているような形になってしまった。
「一緒に寝よ〜…?」
「…は?あの、」
「Zzzz〜…」
「はぁ…寝ないでくださいよ…」
抱きつかれたまま、眠ってしまったせいで俺は身動きとれずにいた。
芥川さんを叩き起こそうとした…だが、
「なんだか、俺も…眠くなってきたな」
隣りで静かに吐息をたてる、芥川さをに便乗して俺にも眠気が襲ってきた。
今日は授業中も少し寝たのに、まだ眠たいなんて目の前の先輩みたいだ。
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