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□泣きたい時は泣きなよ
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「・・・日吉」


「え・・・わっ」




ぐいっ、と腕を引っ張られベッドへと倒れ込む。

覆い被さるように俺を見下ろすと、ふわり、跡部さんの香水の香りが鼻を擽り、いつもと同じで安心する。

ところでハッとした。




「な、なにするんですか!変態・・・っ、」


「アーン?お前なぁ・・・誰が変態だ、誰が」




アンタだよ!と言う前に、顔を逸らす。



真剣な目をしていた。


芯の強い、真っ直ぐな瞳で、俺に何かを問いかけるように。

見下ろしていた。




「こっち向け、日吉」


「・・・・・・・・」




恐る恐る顔を向ければ、先ほどと同じ、真っ直ぐな瞳とぶつかる。

その瞳と、目が、逸らせなくなる。




「・・・泣いてもいいぞ」




フッ、と優しげに笑う表情が、俺の心を揺らす。




「何、言って・・・」




泣く、なんて。




「泣け。泣きたい時は泣けばいいだろ?俺が全部、受け止めてやるよ」


「・・・・・っ、」




悔しい悔しい。

何もかも、見透かされてるみたいで・・・



抱き起こされ、背中に手を回り、ぎゅう、と抱きしめられる。

頭を撫でる手が優しすぎて、溢れ出した。






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