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□スペシャル☆Day
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04月14日。

今日は、俺たちの日。


そう言ったのは、俺の方だったのに。


日吉は覚えていてくれていたのだ、俺の言葉を・・・去年からずっと、覚えていてくれた。

なのに俺は・・・!!


バンッ、と玄関の扉を開けた。




「「あ、」」




声が重なった。




「忍足さん、起きてて大丈夫なんですか?」


「え、あ、あぁ・・・」


「携帯出ないので・・・一人暮らしだし、なんかいると思って、いろいろ買ってきたんですけど・・・」




目の前に日吉がいる。

かさ、と上げる手には、コンビニのビニール袋を持っている。


俺が休んでいるのを風邪だと思ったのか。




「? 忍足さん?」


「・・・堪忍な、日吉」


「え?」




ギュ、とその場で日吉に抱きついた。

日吉は意味が判らず、頭の上に?マークでも浮かべているのだろう。



・・・無駄な嫉妬をしてしまった。


自分は、こんなにも日吉に愛されているのに。




「日吉・・・早退でもして来たん?」


「・・・まぁ」


「じゃ、今日のこと祝おか。一緒に」




目を見開く日吉のこめかみに、小さくキスをし、髪を撫でた。




「・・・いいんですか」


「大歓迎や」




今日の日を、

俺たちの日を、存分に楽しもうか。




「愛しとるよ、日吉」


「・・・俺もです」














―END―






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