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□スペシャル☆Day
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――――・・・次の日。




時刻は、昼過ぎ。普通なら学校にいる時間。

だが、俺は家にいた。


日吉と会うのが、怖くなってしまったから。



先ほどから携帯が青く光を放ち、メールがきたことを告げている。

だが、開くことはなく、ベッドに置いてある。



昨日も見てしまった。

岳人と日吉の姿。


部活が終わった、放課後、同じ場所で。


つくづく、俺は運の悪い奴なんだと思う。




「・・・アホか、」




弱虫な、俺。



――――・・・プルルル―

――・・・プルルル―



カーテンを閉め切り、光を指さない部屋に携帯とは違う、電話の音が思考を遮るように響く。

家の電話だ。


無視しようとするが、鳴り止まない電子音にイライラし、苛立った声で電話に出た。




「は・・・『馬鹿侑士、生きてるか―――!!!』




聞こえたのは、聞き慣れたパートナーの声。

そして、今は少し聞きたくない声でもあった。




「・・・なんや岳人」


『なんや岳人・・・じゃねーよ!学校、サボリやがって、不良め!』




不良て・・・というツッコミはしないでおく。




「堪忍、堪忍」


『・・・お前、日吉に連絡してやれよっ』




ぴく、と肩が震える。

岳人の言葉から"日吉"が出てくるとは。




「・・・日吉には、明日直接、謝るわ」


『明日じゃ遅いだろ!?今日じゃなきゃ!』


「・・・・・・・・」




やっぱり、今日は何かの日なんだろうか。



どうしても思い出せない俺は、ゆっくりと今日の事を知っているような口調の岳人に尋ねてみると、怒鳴り声が耳に響いた。


そして、玄関に走り出していた。






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