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□スペシャル☆Day
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偶然だった。
見たことのある、二つの後ろ姿が街の中へと、姿を消していく。
それは、岳人と・・・恋人である日吉だった。
その時の日吉の、照れた様な表情が・・・
頭から離れない。
スペシャル☆Day
「・・・明日?」
それは、つい、昨日の出来事だ。
「は、はい・・・」
少し頬を赤くして、俺の前に立つ日吉は、見られた事なんかしらない。
やましい事や浮気なんかじゃないと、頭では判っているのに・・・
モヤモヤが残る。
朝練の時も、休みの時間を利用して聞き出すことはできたはず。
だが、聞き出す前に、日吉が話しかけてきた。
内容は『明日、時間ありますか?』と。
デートの誘いか。
明日は、当たり前のように普通に学校もあるし、部活もある。
つまり、放課後・・・か。
瞬間、昨日の光景が、脳裏を横切っていく。
岳人と一緒にいて、笑って、楽しそうに会話を弾ませる日吉の姿。
・・・イライラ、する。
「・・・ねん」
独占欲の塊が、言葉となって溢れ出す。